第2話 逃亡テロリスト傷害事件-本伝02
ああ言ったけど……俺は翌日も学校に登校した。
「学生の本分ってヤツだよね」
教室に向かって歩きつつ、そんな
やっぱ
思わずシャツの上から、お守りを
そう、去年の秋のニセ総理事件で、オッサンが残していった青く
確か、これの力でオッサンの
「あれ?」
声が出てしまった。だったら、俺がこれ持ってるのにオッサンどうやって?
そんな事を考えながら歩いてる内に、教室のドアまで来てた。
「ドアを開けたら、いきなり……なんて事は無いよな」
そう言いながら、教室に入った
「
「何だよ! いきなり!」
ピンモヒじゃなかった。ちょいビビったけど
「
なぜに涙目?
「スケコマ
俺の胸ぐらを
「けどよ、ヲタ
あぁ、もう泣き出したよ。何なんだ、これ。
「ヲタ
胸ぐら
「トッキーさぁ、昨日、裏門から帰ったでしょぉ」
あぁ、確かに。そうだった、で、それが?
「僕らさぁ、正門から帰ったんだけどねぇ、そこに居たんだよぉ」
だから何が? まさか……ピンモヒ?
「うーちゃん
「はぁ? うーちゃん?」
誰?それ。
「
だから、誰?
「声優さぁん」
「悪ぃ、ヲタ
「ダァメだねぇ、トッキーはぁ」
「で、その声優さん
そう言った
「お前を探して待ってらしたんだよ! その美女様が!」
えぇ! んな馬鹿な!
「どこで知り合ったんだよ! どうやって!
もう完全に我を忘れて教室で怒鳴りまくってる。もっとも他の連中も白い視線が多い。中には氷点下の
「ホントかよ……」
美女が俺を待ってた? 有り得ん、としか言いようが無い。
「身に覚えないのぉ? トッキー」
「うん、全く」
あっけらかんと答える俺の胸ぐら
「とにかく手を離してくれよ、スケコマ
「そうだよぉ、何かの間違いかも知れないしねぇ。トッキーじゃぁねぇ」
「ヲ~タ~ひ~ら~」
「今日もいらっしゃるかも、だ。
いや、昨日も逃げてないって。
「放課後になれば判るよぉ、ねぇ」
再び毒てんこ盛りの視線を送って、ヲタ
その時、1時間目のチャイムが鳴って、俺達は自分の席に。
確かに放課後になれば判るかも。けど、それだけじゃない。考えなきゃならない事は山積みだ。
ピンモヒの事、それから昨夜聞いたアレ。はくじゃでんせつ、って何なんだ?
そして……昼休み、あの二人が俺の机にやって来て弁当を広げ始める。
我ら3人、昼休みは弁当と決めてる。学食なんかは各休み時間に、だよ。
「
「いつもの事でしょぉ」
「そうそう。ケチケチすんなよ、
「はいはい」
いつもの風景だけど、今日は独りじゃない事が、何だか
「なぁ」
「また
まぁ、そのとおりなんだけどね。
「今度は、何かなぁ?」
「はくじゃでんせつ、ってさ」
そう言った
「なになにぃ、トッキーがぁ
「んな、
あれ?二人とも知ってる口ぶり。知らないの俺だけ?
「え~
スケコマ
「アメリカ人が日本のラノベ
「
そう言いながらヲタ平は、ペンで字を書いていく。俺のノートなんだけどね、後で消せよ、おい。
「
はぁ、それで
「アキバに来てたアメリカ人が事故で死んじゃってぇ、神様に異世界に転生させてもらってぇ……」
その時点でアリキタリだね、確かに。
「アキバで買ったソーラー電卓ひとつ持たされて、魔法世界でチーレム。最悪じゃね?」
「電卓の関数と数字でぇ、様々な魔法を無限に生み出すんだよぉ。最高じゃん」
「そのアイデアは
うぇ。そう言うのはヘイト物って言うんじゃ無かったっけ? 好き嫌いがハッキリ分かれる類だね。
「しかも、だ。主人公が異常に性格が良くて感情移入しづらい上に、ハーレム状態で誰とも
う~ん。スケコマ
「それが良いんだよぉ。全ての女の子から告白されてぇ、全員好きだから選べなぁい。って最高じゃん」
「俺にゃ考えられんわ、そんな気色悪いの。
いや、俺に振るなよ。でも確かに同意見だけどね。
「まぁ普通、一番好きな子ってできるよな。ライバルは出るかも知れないけど」
「だろ? それが当然なんだよ。告ってくれる女の子が十二人も
俺の答えに、
「トッキーも読んでみなよぉ、
「いや、いい。十分だ、今の話で」
すがるヲタ
「それが普通だって。あんな
「二人ともぉ、
そんな会話で俺達の昼飯は終わった。
いつもなら長い午後の授業。でも、その日の放課後は、いつもと違ってアッという間にやってきたんだ。
「逃がさねえからな」
帰り
「気にしなくても、そんなの
「いや、今日もきっと、いらっしゃる!」
気合入ってるスケコマ
「何かのぉ間違いかもねぇ」
「普通、そう考えるよな?」
それが本音か、スケコマ
「だぁよねぇ」
そんな会話を繰り返しつつ、三人で正門に向かう。
「見ろ! 人だかり
確かに。ほぼ男ばっかり固まってるのが見えるね。その中に、女の人が居るのも見える。
その話題の女の人。この時期にリクルートスーツ、って……遅いんだか早すぎるんだか。
スラリとした後ろ姿、でも……タイトスカートがパンパン。
デブじゃないんだ、スカートから
お尻派の俺としては……ヤバッ! 鼻の下
「あのお方だ、間違いない」
スケコマ
「俺だとは、限ら……」
そのまま、硬直。
振り向いたスーツの女性を見たまま。
心臓が止まるかと思った、なんて
でも、実際に有るんだ。今、まさにそれ。
「マジィ?」
ヲタ
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