第10話 秋葉原爆破テロ事件-10 了
結局、あの事件はテロリストによる無差別ビル爆破って事で、公式発表があって一件落着となった。
「何だかなぁ」
俺としては納得いかない。あれだけマトモじゃない事件が、何となくウヤムヤに普通の出来事になってしまったなんて。
大変だったんだ、あの後。
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気絶してしまった後、
「死にてぇのか! このクソボウズ!」
開口一番、
「む? これは……」
ビューレットさんは
その間に俺は、多元宇宙の同一人物である二人の
「それでも俺は、これからも関わり続けるからな!」
「多元宇宙の、他からやって来る奴らが犯罪者なら、俺の周りの人達が傷ついたりしないように俺、戦うからな!」
何ができるのか? 二人にそう突っ込まれたけど、あのレイヤーなガンマン、ビューレットさんが言ってくれた。
「少年は、いつか大人になる。今がその時なのだろう。ならば
「あぁ? こんなガキんちょに
「確かに一人前には
これには二人とも
「まったく、
「何かと相手にし
「味方に
「そにして、やだが、ひではない。と言ったところですかね」
それを聞いてビューレットさんは大声で笑い出したんだ。
「何が
「いや、
トレンチコートの内ポケットから取り出したメモに書いてみせた。
「しかし君のは、こうだろう?」
「よく判りますね」
多分、銀八さん引きつっていたように思う。もちろん顔は見えないけど。まぁ、当然だよね、
「昔、同じ
再び内ポケットに手を差し入れながら、こう続ける。
「その男は、自分は家族を守る為に仕事の鬼に、いや仕事の虫になる。そう言っていた」
ちょい遠い目をしてレイヤーなガンマンさんは口を閉ざした。
「そ、それは父の……
「少年、これは返しておこう。大いに役立ったよ」
それは俺の
「君が起きる寸前、これで手品師に電話をかけさせた。かけっぱなしで悪かったとは思っているが」
て、事は……電話代考えて、涙が出そうだ。
「おかげで中の状況、突入するポイント、タイミング。全て
銀八さんが口を開く。
「しかしなぜ、私の番号に特定を? 私を知っていたと言う事ですか?」
「さて? そろそろ私は
ガス人間8号さんの問いを無視して、レイヤーなガンマンさんは足から
「なるほどなぁ。テメェの宇宙から持ってきた物だけかよぉ、
「万能では無い。本人がそう言ってましたからね。ビューレット氏、でしたか」
ビューレットさんが
解除されたイカツイ装甲服が重力波と共に消えていく。送り返したんだな、銀八さんの世界に。
「さぁな。ジジイで充分だぁろ?」
「確かに」
軽く笑い合い、二人
「とにかく、帰りますよ」
「おうょ! カァちゃんのトコへ連れて帰んなきゃなぁ」
「ホントに、保護者
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あのビル爆破事件で今年の、
「まぁ、あんな事になるなんて、思いもよらなかったからねぇ」
「日本でもテロって起きるんだな、びっくりしたぜ」
あの後、約二日間の入院で二人は帰ってきた。わが友、スケコマ
「ゴメンな。俺がアキバ行こうなんて言ったから……」
「何言ってんだよ、
「そうだよぉ。トッキーに責任なんて無いよぉ。ただちょっと運が悪かっただけでぇ」
「二人共……」
泣けてきそうな事を言ってくれるね。
「連休、終わっちまったけど、どうする?」
スケコマ
「悪い。行くとこ有ってさ」
今まで日曜日だけだった
あの時、もしかしたら俺の
ナイフはまだまだ使えないけど、俺が習ってる事は
「んじゃ、また明日」
そう言って、俺は近道になる裏門から出て行った。だから知らなかったんだ。正門で、ちょっとした騒ぎが起きている事を。
校門前で、俺を
第3章 了
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