第7話 秋葉原爆破テロ事件-07
「君は、本当に巻き込まれ型ですね」
1637番宇宙の気化生命体の俺、ここでのコードネーム
去年の秋、あのニセ総理事件の時に俺自身が装着したメタリックボディの警備用装甲服よりも
その手にしているのは
「今回は、俺……」
「話は後で、今は!」
そんなコンバットスーツに身を包んだ、異世界に生きる俺、ガス人間8号さんが今、ピンモヒの
はずだった。
「これは、
ピンモヒこと
「
「我々には、物理攻撃は確かに効かない」
自慢げにしゃべりだすピンモヒを
「我々は1962番宇宙の住人。
両手を
「
言い終わるより早く、ガンマンさんを
「き、貴様! どうやって……」
「固定剤か? 当然、中和剤も除去剤も存在する。知らなかったのか?」
「そんな物、いつの間に?」
ピンモヒの疑問は俺の疑問でもある。レイヤーなガンマンさんは、それには答えずに別の人に呼びかけた。
「さて、起きてもらおうか? 手品師。いや、ハナから気絶などしてないだろうに」
視線が、倒れている
「バラしちゃダメっすよ」
笑いながら起き上がった
「ちなみに魔術師と呼ばれたいっすね、僕としては」
「細かい事は抜きだ」
我が命の恩人は
「貴様ら、グルだったのか!」
「かも、っすよ」
魔術師と呼ばれたい男は、手首のひと振りで小型注射器を飛ばした。それは見事にピンモヒに命中する。
「今だぞ、マル
「なぜ、このスーツの通称を?」
レイヤーなガンマンさんに呼びかけられ、疑問を口にしつつも、銀八さんは
その一撃は、ほとんど剣道の技、抜き胴の強烈なやつ!
数週間前に聞いたインド人ハーフに負けない汚らしい悲鳴を上げて、ピンモヒは
「
「はいはい。人使い荒いっすね」
かなえいって言うんだ、
「さて、
「助けてくれ、ビューレットさん」
我が命の恩人に、
「ビューレット?」
ガス人間8号さんも同じ思いだったらしい、あちらは声に出ていた。
「私の通り名だよ。本来はブレットと読むべきなんだがね」
昏倒しているパンク野郎軍団は次々に
「
本当か! そんな叫びと共に、もうパンクな革ジャンを脱ぎ捨ててる人まで
「約束しよう、必ず。ただし罪は
一気にテンションが下がる人達。
「まずは、
再びテンションが上がる。皆さん判りやすい。助かりたい一心、当然だよね。
「行こう! 案内しますよ、ビューレットさん」
誰もがその声に非常口の方を向いた
「裏切りやがって! まとめて吹っ飛ばしてやる!」
「どぉうりゃぁあぁ!」
物騒な宣言をしたピンモヒが、聞き覚えのある叫びと共に、今度は俺達の方に吹っ飛んできた。皆さん
わぁ! 俺はともかく、銀八さんやレイヤーなガンマンことビューレットさんまで。
床に転がる
「くぉら、ボウズ! オメェは何度言ゃあ
くそっ! まだ
「
「まぁ、とりあえず記念に」
何の記念なんだよぉ! オッサンと同じ口調で
「オッサン! 足は?」
見事なドロップキックを食らわせた足を振り回し、オッサンこと1398番宇宙の俺は胸を張る。
「おうよ! この通り
いやいや、治療って言ってくれよ。いくら
「誰かね?」
我が命の恩人が、
「
「い! いったくぅ?」
相当、間の抜けた声を俺は張り上げてしまった。
「そこのガス人間8号が
え、俺って三番目? ここ1500番宇宙じゃ、俺が本家本元の
「彼のサンたく、は仕方無いとしても、私のニたく、
えー! 銀八さんまで。俺って三人目扱いなのか?
「当然、私がイッたく。でしょう?」
「細かい事ぁイイんだよ! まぁ年の順だぁな」
「
「あ? 今年、二十六になったぜぇ?」
やっぱり俺より十歳は年食ってたんだな、
「私、間もなく二十八になりますが?」
げぇ! 銀八さんの方が二歳年上? 絶対逆だって。あぁオッサン、相当ショックを受けてるよ。
「つまり、だ。君ら三人は……」
レイヤーなガンマンさんが、やや
「トリオなヲタク、と言う事かね?」
「違います!」
俺とガス人間8号さんの声が
「いや、まぁヲタクって
否定しないのか? 1398番宇宙の俺! ここでのコードネーム
「ふむ、なるほど。サンたく、な」
あぁ我が命の恩人さんが、誤解したまま納得してしまったよ。どうしてくれるんだ。
「いやぁ、面白い人達っすねぇ」
けど、その後の言葉に皆さん一気に平和ムードが消し飛んだ。
「あちらさん、逃げるみたいっすよ? やっぱ、
振り返る視線の先に、壁に
「俺をコケにしやがって! 今から後楽園球場を吹き飛ばしてやるぜ!」
「あ? オメェ馬鹿かよぉ?」
事情を知らない
「本当の事なんだ、イッタクさん。俺達で……あいつと一緒に球場に爆薬を仕掛けた」
あ。
「何だとぉ? マジかよぉ!」
「残念ながら、マジのようっすね」
レイヤーなガンマンさんの目が
「手品師、お前も参加したな? 報告上がっておらんが」
「
え? さっきまでと
「とことん馬鹿にしやがって! ここも同時にぶっと飛ばしてやる!」
誰も自分を見ていない事に気付き、そんな危険な
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