第5話 秋葉原爆破テロ事件-05
連休初日から大事件に
1398番宇宙の俺、ここでのコードネーム
「んな
ちょいオッサンの口調を
5月に入っての連休二日目、今日も俺は秋葉原の街を
多元宇宙の、もう二人の俺のどちらからも相手にされない役立たず
何が何でもこの俺が、今回のビル爆破犯を見つけ出す。絶対に。これはもう意地だね。
「あいつら、
あのピンクモヒカン
そして奴らは、ここ1500番宇宙とか呼ばれてる俺の
とは言え、
「アキバも広いな……どこ行けば、いいんだか」
必ず犯人を見つけなきゃ。そして、多元宇宙のもう二人の俺に結果を見せつけなきゃ。
あ、あの二人も
「オッサン、
そう言えばニセ総理事件の時、戻ってくるのを待ってた、とか言ってたような気がする。
「やっぱ、あのビルかな」
歩き回ったあげく中央通りに戻る、爆破現場に向かって。
「う、そぉ……」
引きが強い。オッサンの言葉が
「あの後ろ姿、絶対だよ」
まさかまさか、あの人も
「もう5月だって」
あのトレンチコートに身を包み、堂々と中央通りを歩いているんだから、俺の
「
とりあえず
ひっそりと、相手に気付かれないように後をついて行く。
「もしもし」
あ、普通に出た。けど、渋い。
「ふむ。私も少々、困っている」
普通に話しながら、レイヤーなガンマンは秋葉原の中央通りを歩いて行く。ちなみにスマホじゃなくて俺と同じガラケーだ、ちょい親近感が
「奴らを集めたのは、
うわっ。いきなり核心に迫る話?
どう考えても、あのピンモヒの件だ。
「ほう……では私に一任すると? 第一部隊さえ残れば、奴らは
あ、ピンモヒども首切られるのか? やりすぎだよね、ビル爆破なんて。で、第一部隊って、奴らは?
「承知した。では、後ほど」
そう言うと、もしかしたら命の恩人かも知れない、爆破事件の一味かも知れない男は、電話を切って
「ここって……」
それは
表には数人の警察官が
「ホントに現場に戻ったよ」
ここで見失う訳には行かない。俺も忍び足で
「えっ?」
「少年。なぜ私の
そこに、
「あ、いや、その……」
動転して頭が、うまく回らない。なんで深夜アニメのキャラそっくりなんですか? レイヤーだから、コスプレイヤーだからだ。で終わってしまうか……何か無いのか?
これしか無い、もうストレートに聞くしか。
「あの……なぜ、僕らを助けてくれたんですか?」
ここは、僕で無いとな。自分に言い聞かせつつ、言葉を選ぶ。
「君とは面識が無いと思うが?」
「
返事は無い。イケるかも。
「落ちてくるビルの
「それが、私に何の関係が?」
う、
ここからでは見えないけど、
「あのビルの上に
「それだけで、命の恩人なのかね?」
もう一歩、思いっきり
「十日ほど前、
俺の一言に、レイヤーなガンマンの片方の
「寺の山門前に俺、
「了解した。君が何を言いたいか、理解したつもりだ」
渋い低音で、トレンチコートの中年過ぎはゆっくりとうなずいた。
「だが少年、それは君の人生を縮めやしないかね?」
トレンチコートに右腕を差し入れていく男の静かな眼差しに、俺の背筋は凍りつく。
確かに、秘密を知り過ぎた奴でしか無い、俺は。しゃべり過ぎた事を
「このまま、Uターンして帰りたまえ。そして私の事など忘れる事だ」
「あ、え?」
レイヤーなガンマンが取り出したのは、
「関わらない方が良い。君自身の為だ」
煙を吐き出しながら、そう言う。
「やっと見つけたんです、
「困ったな」
若干、
「やっぱり、
「忘れたまえ。そして早く帰るんだ」
「そうは行かんぜ!」
聞き覚えのある声の方に、瞬時に首が動いた。奴も
「だから、
「ちと、遅かったがね」
再び
「そいつは帰す訳には行かんぜ、あんたまで見てんなら」
「彼は関係ないはずだが?」
その一言に、ピンクモヒカンが手にしていた鉄パイプを
「あ! あぁ、あ?」
「
「あ~そうだよな、その通りだ。が、そっちはどうかな?」
ガンマンが俺の方を
「やべっ……」
俺の
「よせ!」
渋い低音ヴォイスの叫びと暗くなる視界、そして
そんなのをまとめて感じた
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