第2話 秋葉原爆破テロ事件-02
爆発を続けるビルに向かって
「危険です。君まで
「友達が、あのビルに!」
それだけ言うと、俺は多元宇宙の別の俺を
「待ちなさい!」
銀八さんが俺に
二人で逃げ
「どうしよう。これじゃビルに入れない」
「任せてくれますか?
いつかの寺の
「だけど、二人の顔も名前も……」
「何か、その二人の顔かたちが判る物は?」
そう問われて、俺は
銀八さんは自分のスマホらしきものを取り出して、操作しながら俺の
「少々、情報を抜き取らせてもらいました」
「え?」
「
言うが早いか、ガス人間8号さんは、まだまだ大勢の人達が
「抜き取ったって……あれ、ただのスマホじゃ無いよな」
ニセ総理事件の時に一度、預かった物だと思う。なんて言ってったけか?
そんな事を考えていたら、また爆発音が。上から割れた窓ガラスが降り注いで、ビルの真下にいる人達は頭を
「ヲタ
少し離れた所に
爆発するビルの吹き出す黒煙に混じって、開いた穴から飛び出してきた、二つの人影を。
「何だ?」
それは、間違いなく人だった。もくもくと吹き出し続ける煙の、一瞬の切れ間に見えたのは。
「女の……人?」
一人は事件現場に似合わない、ブリブリのアイドルコスチューム。そして、それを追いかけるもう一人は、更に
二人は再び黒煙の中に消え去り、俺は幻を見たのかと
「何だったんだ……今の」
そんな
「オラ、オラ、オラァ! どけっ!」
そんな
「どけぇ!」
そう叫びつつ男は真っ直ぐ進んでくる。
大柄で、けっこう整った顔立ちなのに、着ているパンクな服装と
何よりも、脱色して金色になった
ぶつかる。そう感じて目を固く閉ざした俺を、
「えっ?何」
そう言いつつ
再び
「そんな……馬鹿な」
二人の男が俺を、通り抜けていった。文字通り俺の体を、
「野郎ども! ここにゃ、もう用は
ピンクモヒカンが
その間に、見覚えのあるようなワゴン車が数台走ってきた。その先頭の車の中からお
「皆さん、お疲れ様っす! ささ、どうぞ、お乗りくださいっす!」
声の主に何か言うでも無く、パンク野郎どもは次々に乗り込むと、
「何だったんだ……今のは」
さっき黒煙に消えた人影を見た後と変わらない、そんな
そんな
「くぉらぁ! こんな
「オッサン?」
「
「そぉりゃ、こっちの
「ここ、アキバだよ。友達と買い物くらいくるさ」
「この
ビル
「銀八の野郎から連絡が入って、ここまで
首突っ込んだわけじゃない!
いや、まぁ……逃げるようにって銀八さんに言われたんだけど。友を置いて逃げるなんて、やっぱりできない。
それを
「逃げろ! ボウズ。走りゃどうにかなんだろ?」
先に口を開いたのはオッサンの方。
「オッサンは……」
そこまで言って、俺は絶句した。
Gパンが
「まぁた、やられちまってよ。左足が固まり始めてんだぁ。オレ様の事ぁ放っといて、サッサと逃げろや」
「できるかよ!」
「オラァ何が有っても
「けどさ……」
「オメェ体育会系だろうが? 突っ走れ!」
「一人で行けるかよ!」
そう、オッサンだけ残して、なんて後味悪い
ここに
「
うぅ。と言葉に
そんな
「おい!
叫ぶ声に我に返って、俺は爆発し続けるビルを見上げる。
「こいつぁ、ヤベェ……」
オッサンが息を
二人の、そして周りの人々が見上げる中、屋上から下に向かって斜めに、ビルの壁に
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