ドラゴンに会いに行くぞ!06

 そして日本のビジネス用語的の前入りというやつで、パールは前日に決戦の場所に来て、パステルやブレスなど10人ほどで準備をしていた。




 そして約束の時間となった。


 ドラゴンたちは自分たちが言った通り、事前に攻め込んでくるということはなかった。そのあたり統制が取れていて問題児たちのカリスマ性も感じ取れた。パールとしても無駄な争いで血が流れることが無くてホッとしていた。


 ちなみにだが、この1週間の間でドラゴンの住んでいる森にいた精霊族や動物たちのほとんどはバックスやギジの領土へ避難できたようである。


 妖精族に関しては、避難した者たちも多いが、パステルの姉が言っていたようにドラゴンに与する勢力もありそちらは森に残ったようである。


 ドラゴンにしても100体ほどだがパールの呼びかけに応えてくれて亡命してきており、こちらもバックスやギジの領土でいったん保護している状態である。その点パールも心撫でしたところである。





 そしていざ、ドラゴンたちとパールが対峙する。


 ドラゴンたちの総勢約4000、亡命に応えたドラゴン以外は森に住む老若男女すべてのドラゴンが集まっていた。先頭にパールとの会談を行った問題児のドラゴン2体がいた。


 対する魔王軍はパール、パステル、ブレスの3名。昨日から準備を手伝ってもらっていた護衛や秘書のメンバーは退避させた。




 そして先頭にいたドラゴンの一体がパールに言った。


「おうおうおう、魔王様。秘書は置いといて本当にひとりじゃないっすか? こっちはドラゴン総勢4000でっせ?


 舐められるとかぶざけるなとか言いたいこともあるけど、そもそも自殺願望なんですかねぇ? いや、流石にこれはドン引きするんだけどねぇ?」


「いやいやいや、流石にこれは洒落にならんって魔王様? 人の気配が本当にしない、あ、もしかして転移魔法で奇襲をかけるとか?


 まあ、そんな奇襲があっても関係ないですがねぇ。うわー、こんなふざけたことをされるんだったらとっとと魔王領に攻め込んでおけば良かった!!!


 まあいい。ここでさっさと魔王様を討ち取って、次は鬼の公爵のところへ向かいますかね。」


 ふたりのドラゴンたちはお互いを見合いながら会話をする。そのドラゴンの会話を聞いてパールは答えた。




「いやいや、何を言うておるんじゃ? 会談のときに言ったであろう? ワシひとりでこの土地を人が住めない地獄に化すと。


 魔法の巻き添えになる危険があるからな。余計な者は下がらせただけじゃ。本当はこのふたりも下がらせたいところじゃが、流石に見届ける者も必要じゃろうて。


 そんなことよりも本当の本当に良いのか? このままじゃとその4000とやらのドラゴンが全員死ぬんじゃぞ?


 しかもとても残酷な死に方になろうな。おそらくチリひとつ残らんぞ? うーん、今になって多少気の毒に思えてきたわい。


 良かったら、今からでも………。」


 パールの言葉を遮ってドラゴンが言う。



「冗談じゃねぇ!!! チリ一つ残らんとかどこまで我々をバカにすれば気が済むんですかねぇ? 流石にいい加減、頭に来ましたよ!


 あっ、そうだ! まあ、ひとりで何するかは知りませんけどね、ハンデということで初手をあげますよ。


 はい。いいですよー! 掛かってきてくださいねぇ! ほらっほらっ!!!」


「ありゃりゃ。うーん、そもそもとして会話が嚙み合っておらんのう。まあ、無理もないか。この世の常識では計れないからのう………。


 でも、本当に良いのか? ワシに初手を与えたら、万に一つの勝ち目も完全に失ってしまうことになるぞ?」



 そして別のドラゴンが言う。


「ガッハッハッハ! なにやら大攻撃をしてくるようですが、流石にそんな大げさな攻撃は当たりませんよ。


 ってか、みんなもそんな攻撃に当たるやつはいねぇよなぁ???」


 そのドラゴンの煽りに対してあたりは大爆笑の渦になっていた。




「そっか。ならば遠慮なく初手攻撃をいただこうかのう。」


 そう言ってパールは魔法で宙に浮かび、そのままそれなりの高さまで飛んで行った。問題児のふたりのドラゴンを先頭に続々とパールに続いて飛んで行った。





 そしてパールが技名を叫ぶ!


「ハイパーグラビティエリア!(超重力領域!)」



 ゴゴゴゴゴゴゴォォ。


 あたりが地鳴りを起こし始めた。





 パールは焦土と化すと宣言した箇所一帯に超重力を覆った。空を飛んでいたドラゴンたちは次々と地上へと落とされていく。


 地べたに這いつくばる形になったドラゴンたち。問題児のひとりが重力に抗いながらも悪態をつく。


「な、なかなかやるじゃないっすか。魔王様よ! こんな魔法があったなんて思いも寄らなかったですわ。


 世界最強というのは伊達じゃないのは認めますわ。でも、こんな程度じゃさすがにドラゴンたちを倒せませんぜ!」


「うわー! なかなかやるではないか! 一応10倍の重力が掛かっておるというのにそんな悪態をつく余裕があるとはな。流石は最強種族の一角を担っておるな。とても頑丈にできておるわい。」



「そうですぜ! この程度、確かに不意は突かれたが、ぜんぜん致命傷にはなりませんよ!」


 別のドラゴンがそう言って、少しずつ前へ進んでくるドラゴンたちであった。



「まあまあ、そんな焦らさんな。この重力の魔法は次の魔法を掛けるにおいて万が一にも取りこぼさないためのもんじゃ。一匹たりとも逃がすつもりはないからのう。


 それでは早速次の魔法へ取り掛かるとしようかのう。そしてドラゴンの諸君、さらばである!」



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 さて、今度はホントのホントにドラゴンとの折衝開始!

 友好関係なのでてっきりうまくまとまるものだと思っていたけど、

 思わぬ予期せぬ展開に進んで行く………。

 これはもうブクマも☆も付けるしかありませんね!

 いや、付けるでしょ?☆もブクマも?

 いえ、ぜひともめちゃくちゃお願います。ほんとにお願いします!☆とブクマ!


 この後の展開もぜひとも楽しんでいってくださいね!




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