ドラゴンに会いに行くぞ!04

 翌日。


 パールは最初にサファリ公爵のエルフ領へ来た。


「ワシの命についてはすでに聞いておろうな? そういうことなのでよろしく頼むぞ!」


「もちろんですわ! 謹んで奉勅いたしますですわ。」



「で、おぬしらエルフ族を見込んで個別に命を出すので対応してほしい。」


「はっ。なんなりとおっしゃってください。よろしければ個人的にもあんなこともこんなこともやって見せる所存ですわよ!」


 サファリは無駄に目をギラつかせて謎のドヤ顔になっていた。



「お。おう。そ、それは頼もしいな。


 して内容じゃが、エルフ族の中には動物や、妖精、精霊にと言葉や意思を交わすものがおると聞く。


 すでにブレスには命を出しておるのじゃが、彼女と協力して森にいる動物や獣たちをバックスやギジのところへ避難させてほしいのじゃ


 あと、おぬしたちの工作員たちにドラゴンの中でも穏健派や抵抗勢力もおると思うので、そやつらと接触して積極的に亡命するように働きかけてくれ。」


「謹んで奉勅いたしますわ。お任せくださいませ!


 勅命については問題ありませんわ。粛々と実行いたします。ですが、それとは別にお伺いしたいことがあるのですがよろしいでしょうか?」



「うむ。良かろう。」


「ありがとうございますわ! 今回のドラゴンとの戦い、いったいどのようなものになるんでしょうか?


 森を焦土にすると伺ってますがそれはもう凄いことになるんでしょうか? とても気になりますわ?」


 サファリ公爵は、それはもう興味津々といった感じで、少年少女のようなキラッキラに瞳を輝かせて尋ねた。



「うむ。そうじゃなあ。まあ、おぬしが考えている以上のことは起きるじゃろうな。というか、この世界に住んでいる者の常識では推し量れまいて。」


「ご、ゴクリ………。そ、それはとても興味深いですわね………。ま、魔王様! わ、私もその場に同行させていただきたくお願い申し上げますわ。」



「え? そんなのダメに決まっておろうが!」


「そ、そこを何とかお願いしますわ! 後生です! 一生のお願いですわ!!!」



「ダメなものはダメじゃ! おぬしはここの領主じゃろう? 緊急事態の命を出しておるのじゃぞ? 領主が不在になってどうする。」


「そ、そんなぁ………。だ、だったら領主を辞めますわ! そこのおまえ! 次の領主はあなたに任せるとしますわ!」


 本気で愕然とするサファリ公爵。周りの者も、普段パールがいないときはとても優秀であるがゆえのギャップなのだがあまりのポンコツぶりに呆れるばかりである。



「ハッハッハ! 相変わらず無茶苦茶な奴よのう。しっかし、おぬしも普段は優秀と周りのものから聞いておるんじゃが、その様子も見てみたいものじゃよ。


 サファリよ。ちょっとこっちへ来い。」


「な、なんでありましょうか?」


 サファリは恐る恐るパールの元へ来た。無茶を言った自覚が出てきたらしく、怒られるのではないかと内心腹をくくった。



「ほれ、ちょっとしゃがめ!」





 ギュゥゥゥ!!!


 パールはサファリ公爵の頭を抱きかかえたのであった。さらに頭をポンポンとしている。





「なっ!?」


 この場にいた全員が予想外の行動であった。みな驚きの表情をしているし、一番驚いていたのはもちろんサファリ公爵であった。




「まあ、こんなことが褒美になるのかわからんが、もともとおぬしを可愛がる約束もしておったからのう。


 イイ子じゃからちゃんとおぬしの仕事を全うするようにな。」



『ハハハ。これはいわゆる【ただし、イケメンに限る】の行動だよな。サファリ公爵がパールを崇拝していることと、圧倒的カリスマがあってはじめて成立するよな。


 こんなん人間だったオレ、いや、パール以外でやったら間違いなく訴えられるよね。』



「もう、魔王様ったらズルいですわ。こんなことされたらもうめちゃくちゃ頑張るしかありませんわよね。あと、ご一緒できるパステル殿がうらやましいですわ。」


 もちろんサファリ公爵はゆでたこのようになっていたのは言うまでもあるまい。



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 さて、今度はホントのホントにドラゴンとの折衝開始!

 友好関係なのでてっきりうまくまとまるものだと思っていたけど、

 思わぬ予期せぬ展開に進んで行く………。

 これはもうブクマも☆も付けるしかありませんね!

 いや、付けるでしょ?☆もブクマも?

 いえ、ぜひともめちゃくちゃお願います。ほんとにお願いします!☆とブクマ!


 この後の展開もぜひとも楽しんでいってくださいね!




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