ドラゴンに会いに行くぞ!03

 そしてパールはドラゴンに告げる。




「我、魔王パールの名に於いて、おぬしらドラゴンどもへ宣戦布告する!」



 突然の宣言にドラゴンたちもそうだし、パールやブレスたちも驚いていた。







 さらにパールは宣言を続ける。


「この戦いにおいて、ワシはこの森に住んでおるすべてのドラゴンを根絶やしにすることを宣言する。そうじゃ、これはもう蹂躙とか大虐殺と言ってもよかろうな。


 1週間後のこの時間に再び我と数名だけでこの地にやってくる。そしてこの森林地帯、本当に美しい森林地帯でそこはとても残念なのじゃが、ワシの魔法によって10年、いや50年は誰も住めん土地となるじゃろう。


 ワシの首を取りたいということであればそこで迎えてやろう。まあ、ワシの魔法の前ではすべては無駄なんじゃがな。


 そうそう、あとはあれじゃ! 大虐殺とは言ったが慈悲はくれてやる。今後、ワシに忠誠を誓いワシのために働いてくれるというのであれば命は助けてやろう。この1週間の間に投降するが良いわ!


 それ以外は女や子供であってもこの地に残って我と対峙するということであれば、例外なくすべてを根絶やしにする。それと逃げるという選択肢も無いものと思え!」



 パールの大演説に対して、ドラゴンたちもすっかりとヒートアップしていた。


「けっ! そのケンカ、しっかりと買わせてもらいやすぜ!


 いやはや、魔王様もとうとう焼きが廻ってしまったか? 何をするのか知らんけど、そんなことは到底無理っしょ?」


「いや、ほんとマジ! 魔王様どうしちゃったのって心配するレベル。


 まずはドラゴン総力で魔王様を討ち取って、その後、魔王領へ侵攻とさせてもらいますわ! ケンカを売ったこと、魔王様の死をもって後悔させてやりますよ。」



「あっ、そうそう、我々も無駄な損害は出したくないんで、その1週間に関しては中立期間ということでおとなしくしときますよ。


 まあ、せいぜい魔王領の皆さんは震えて待つ1週間とならんことを! ハッハッハ!」



「残念じゃがもはや何も言うまいて。1週間後、この地が地獄になることを待っておればよい。


 さてパステル、ブレスよ。我らもいったん魔王城に戻るぞ!」






 ドラゴンとの会談は破談に終わりパールは魔王城に戻った。そしてパステル、ブレスなど秘書を数名と、さらにマリー公爵を玉間に呼んだ。



「皆の者、ご苦労である。集まってもらったのはドラゴンどもとの戦争についてじゃ。」


「いや、ほんとにびっくりしたっス。魔王様ったら急に宣戦布告なんて言い出すから。」


 パールの言葉にパステルが驚いた表情で答える。



「え? いや、だってのう。こっちは友好的に接しているのに、あやつらときたら舐めに舐め切った態度だったではないか? そりゃあ、ワシだって怒るわい。


 それにちゃんと威厳も見せんと、あやつらますますつけ上がるではないか? さらに人間の中でも魔王は腰抜けだってうわさが広まっても困るしな。」




 その後、ブレスも発言する。


「魔王様。発言をお許しください。


 私としては、魔王様の宣戦布告を支持します。魔王様のおっしゃる通り、ドラゴンたちのあの態度は度を過ぎています。


 あのまま放置すれば、どちらにしてもいずれは戦闘に発展する可能性があったと思います。被害が出る前にこちらから打って出るというのは戦略的にも理に適っているかと。


 ただ、私が気になったのは………。」


 ここで言葉を詰まらせるブレスであった。そんなブレスに対してパールは続きを催促する。



「ブレスよ。気になったのは何じゃ? 続きを言うてみよ。」


「は、はい。恐れながら………。


 魔王軍総出であれば、ドラゴンの軍勢に打ち勝つことはそれほど難しいとは思いません。しかしながら、魔王様は宣言の中で、少数で戦うようなことをおっしゃっていました。


 流石にそれは無理なのではないかと危惧するところです。そのようなことが本当に可能なのでしょうか?」



「ハッハッハ! 流石に盛りすぎだと言いたいわけか? じゃがな、できるんじゃよ。ワシにはな。


 少数でというのは逆にワシの魔法に巻き込まれないようにするためなんじゃよ。まあ、見ておれ。」


 パールはニヤニヤしながらブレスの質問に答えた。




 そんな中、冷静に事を見守っていたマリー公爵が口を開いた。


「魔王様。それで我々を呼んだのはどのような要件でしょうか? おそらくなにかしらの勅命が下りると推察いたしますが………。」


「おっと、そうであった! にしてもマリーは相変わらず真面目じゃのう!


 まずは、ドラゴンとの戦争に突入するということで、我が国全土に国家非常事態宣言の命を出す。


 ドラゴンどもを薙ぎ払うこの1週間。領主の皆は領内に留まり安全を最優先にせよ。一般人においては特段行動に制限は掛けぬが、くれぐれもドラゴンからの襲撃に注意してくれ。」


「はい。謹んで奉勅します。」


 玉間にいた皆は各々答えた。さらにパールは話を進める。



「さらにおぬしら個別にも命を与える。


 まずはマリー。この領土は直接ドラゴンとの接点はないが、くれぐれも警戒に当たってくれ。そして、他の公爵領からの支援があった場合は迅速に対応してやってくれ。


 パステルたちよ。明日、他の公爵とバックスにワシが直接会いに行くのでその旨を伝令しておいてくれ。あ、ブレスには別の命を与えるのでしばらくは警護がないので注意してくれ。


 そしてブレスよ。おぬしにはとても重要な命となる。まずは狼どもじゃな。森に住んでおる仲間に連絡をして森から避難してもらうように調整せよ。バックスやギジの領土にて保護してもらうようにするのでな。


 さらに、他の獣や動物たちとの意思疎通できるスキルにより、狼と同様に森から避難するように言ってくれ。


 マリーよ、何かあれば手伝ってやってくれ。」



「承知しました。」


 マリーとブレスは答えた。



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 さて、今度はホントのホントにドラゴンとの折衝開始!

 友好関係なのでてっきりうまくまとまるものだと思っていたけど、

 思わぬ予期せぬ展開に進んで行く………。

 これはもうブクマも☆も付けるしかありませんね!

 いや、付けるでしょ?☆もブクマも?

 いえ、ぜひともめちゃくちゃお願います。ほんとにお願いします!☆とブクマ!


 この後の展開もぜひとも楽しんでいってくださいね!




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