第5章:ドラゴンに会いに行くぞ!てっきり友好だと思ってたけど、

ドラゴンに会いに行くぞ!01

 ドラゴンの村というか、里というか、とにかくドラゴンたちが住んでいる森にやってきた。特に建造物などはない。本当にただの森にドラゴンたちは住んでいる。


 その中でバックスの領土に隣接している比較的広い平野部分があり、そこで会談することになっていた。



 魔王の国からは魔王パール、パステル、狼のブレス、さらに護衛がひとりの計4人。


 ドラゴンからはレッドドラゴンとブルードラゴンが2体ずつ。その中のレッドドラゴンとブルードラゴンの1体は良く内部抗争を起こす主犯格の2体である。




『さてさて、魔王国としてはいったん人心掌握が完了したところがあるから、あとは大きな問題になっているドラゴンとの折衝だ。


 これをなんとか穏便に収めればしばらく国内は安定するし、もっと内政に力を入れることができると思う。


 一応、友好的関係を築いているはずだからな。うまくいくはず! ここが最後のふんばりどころだ!』





 そしてパールは早速ドラゴンに要件をぶつけた。


「さて、今日は集まってもらって感謝する。一応、ドラゴンの諸君にも悪い話ではないものを準備したつもりじゃ。


 いやな、最近おぬしたちがいざこざを起こしとるのはワシらも良く知っておるところじゃ。それで我が領土にもかなり被害がでておるんじゃよ。狼たちにも多大な迷惑をかけておる。そのひとつの原因として住処の問題もあるのかと思ってのう。


 そこでじゃ。エルフの森よりもさらに東の地区じゃが、最近ワシたちが領有を宣言しておったが、もしドラゴンの諸君の一部でもあちらに移動してくれるのじゃったら、ワシらは領有を放棄しても良いと考えておる。


 どうじゃろうか?」



「赤いの、おまえ、行くか? そうすりゃあ、俺らがここで安泰に住めるってもんだしな。」


「はっ? 何言ってんの? そのセリフそっくり返すわ。お前がいきゃーええやん。」


 ドラゴンたちはその場で罵倒にも近い言い合いになってしまった。



 ほどなくしてレッドドラゴンがパールに言った。


「ところで魔王様よ? ちょっと前に反乱かなんかがあったじゃないですかね? あれってどうなったんですかね?


 魔王様から独立ってことであれば、攻め込んでそこに住もうかと思ってたんだけどね?」




『くはっ! ほらほら! やっぱり攻めてくる気満々だったじゃないかよ! バックス君よ、本当にそういうところだからな!』



 パールは思わず口に出しそうであったが、グッとこらえて、ちゃんとした回答をドラゴンにする。


「いやいや、あれはちょっとした手違いで意思疎通がうまくいかんかっただけじゃ。特に想像するようなこともないのでな。なので、その件は気にしないでくれ!


 それよりも、どうじゃろうか? 東の土地へ移動してくれるじゃろうか?」



 すると今度はブルードラゴンが答えてくれた。


「いやー、そうは言っても魔王様よぉ。あの辺って湿地帯で我々でも住みにくいんだよねぇ。それにそもそも移動するのもめんどくさいし………。


 そういうんだったら、隣の領土の魔王様の配下の人をそっちに回してくださいよ。んでもって、俺たちが空いたところに住めばいいんじゃん!


 おお! 俺ってめっちゃ冴えてるジャン♪」



 その後、今度はブルードラゴンが言う。


「それと狼? さすがにそれは知らんわ! ってなるよねぇ。確かに俺らはたまに揉め事起こすのは認めますが、それは俺たちの問題だし、それこそ嫌ならよそ行ってくれませんかねぇ?


 っていうことになりますがねぇ?


 そもそも我々をこんな隅っこに追いやったのは先代魔王様じゃん? 文句があるならそっちに言ってよ。


 こんな狭いところにこれだけのドラゴン閉じ込めたらそりゃー揉め事のひとつやふたつ起きるわ! それにドラゴンの数も凄く増えたしね。」


「そりゃそうだわ! おめぇもたまにはいいこと言うじゃん! まったくもってその通りじゃねぇかよ!


 ガッハッハッハ!!!」




『こちらが下手に出てれば、こ、こいつらときたら………。

 それにめっちゃ仲良しじゃねぇかよ! いつもいざこざ起こしてるのは何だよ!!!


 でもまあ、ここは我慢のしどころだな………。』



 挫けずにパールはドラゴンたちに話をつづける。


「えっと、先ほど東の森は住みにくいと言っておったじゃろうが、実はなそこに街をいくつか建造中なんじゃよ。


 その街をおぬしたちに解放しようとしておるんじゃ。住みにくいというのは多少マシになると思っておるがどうじゃろう?」


「かぁ―――ハッハッハ! 語るに落ちたな魔王様よ!


 そんな街を建造中っていうんだったら、それこそ魔王様の配下の者たちを住まわせれば良いじゃんかよ!」


「そうだそうだ! それで俺たちは隣の領土に移れば良い。なんだ万事解決じゃねぇかよ!


 っていうかさあ、なんで我々がそんな一方的に魔王様の言うことを聞かんといかんわけ? 良い話って言う割には一方的な押し付けじゃねぇかよ!


 こんなの交渉じゃねぇ、ただの横暴だ!!!」


 またもや息ぴったりにドラゴンたちは反論した。




『くっ! こ、これはマズい、とてもマズいぞう。なにやら逆に藪蛇になってしまったかもしれない。


 確かに、こちらは良かれと思って持ってきた話であったが、向こうからしたらあまりメリットが薄い話だったかもしれないな。


 それよりも以前からの不満が爆発しているじゃん! やっぱりここに住んでいるのは不満ってことだったな。


 いやはや、とてもマズい雰囲気だ。話の流れを変えなければ。ここはさらに逆効果の可能性もあるが、さらに引いた感じで話を切り出そう………。』



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 さて、今度はホントのホントにドラゴンとの折衝開始!

 友好関係なのでてっきりうまくまとまるものだと思っていたけど、

 思わぬ予期せぬ展開に進んで行く………。

 これはもうブクマも☆も付けるしかありませんね!

 いや、付けるでしょ?☆もブクマも?

 いえ、ぜひともめちゃくちゃお願います。ほんとにお願いします!☆とブクマ!


 この後の展開もぜひとも楽しんでいってくださいね!




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