ジルド(元)公爵領へ向かうぞ!02
「恐れながら魔王様。さすがにお戯れが過ぎます。これ以上は我々に対する侮辱のほかありませんよ。
私をはじめ数名の戦士たちはすでに戦闘能力ではジルド様を超えています。恐らくですが、先代の魔王様に対しても上回っていると思っております。
パール様に対しては、そんな我々よりもさらにお強いことは認めております。しかし、ケガの一つくらいは負わせることはできますというか、それなりに戦闘することは可能ですよ。
なので、おひとりで我ら全員を殲滅するなどというのはさすがにお戯れが過ぎます。」
軍司令長官は明らかに不機嫌で軽蔑する雰囲気だった。
「ハッハッハ! さっきの明らかに死んでいるような雰囲気よりはずいぶんマシになったではないか。
だったらどうじゃ? 試してみても良いんじゃぞ? 万が一でもおぬしが勝ったら魔王の座をくれてやると言っておるのじゃ。」
パールは不敵な笑みを浮かべながら徹底的に挑発を行った。
「………。
それではお胸を借りるつもりで一戦お願いいたします。大怪我をされて逆に我らに逆恨みなどせぬようにお願いしますよ。」
「おうおう。せいぜい気張るが良い! ギジよ。おぬしに立ち合いを頼んでよいかのう。司令長官よ。それでよいか?
それでワシの力を再度見せつけた暁にはワシに再度忠誠を誓ってもらうからな。」
『プー、クスクス! なんていうか、これはいわゆる「チョロイン」っていうやつじゃ?
まんまと挑発に乗ってくれちゃって可愛いわ。それに長官のセリフの小並感っていったらますます「フラグ」にしか感じないよ!!!
や、やべぇ。顔がニヤけてきちゃうよ。パールの顔なんだから我慢しなきゃ!』
そして場所をバンパイアたちが誇る闘技場へ移った。広さもおそらく武道館くらいはあると思われる。確かに立派な設備である。
闘技場の中央にはパール、軍司令長官、そして立会人としてギジ公爵がいた。
これから戦いが始まると思っていたがその前にパールが言った。もちろん内容は挑発じみたことである。
「うーん、先ほども言ったがやはりおぬしたちにはハンデが必要じゃのう。普通に戦って瞬殺してもワシの凄さが伝わらぬかもしれんしな。
ワシは魔法に関しては身体強化魔法のみとしよう。ほかの魔法は使わん。格闘術だけで戦う。その代わり、おぬしは空を飛ぶことだけは避けてくれ。ワシは魔法で無いと空が飛べぬのでな。」
「はっ!? 何を言っているんですか魔王様? さすがにそれは我を侮辱しすぎではないですか?
まあ良いです。さすがにそのルールでは私が勝ちますので、その後はもう一度ちゃんと本気で戦っていただきます。
本気を出していないから負けたなどと言われたくはありませんからね。」
軍司令長官はまたもや不機嫌に答えた。
『うぎゃーーー! 自分で煽っておいてなんだけど、なんて小並感なんだよ!!!
フラグに次ぐフラグで大草原! いやもうすでに森じゃん!!!
でも、相手はこれでもちょー真剣なんだよな。ここはちゃんと我慢しなくては!』
「うむ。面白いではないか! ならば四の五の言わずにかかってくるが良い。
ワシは充分に手加減をするのじゃが、おぬしに関してはワシを殺す気でかかってくるのじゃぞ!」
「承知しました。まずはこのバカげたハンデとやらは解除していただくことが先でしょうから本気でいきます。
1対1の戦闘における必殺必中の突き技をご披露いたします。」
そう言って軍司令長官は腰に差していた剣を抜き構えに入った。
『うわうわうわーー! マジのホントにやめてくれぇ! なにその小並感溢れる必殺技みたいなのは!!!???
この展開での必殺技って、ボロカスに打ち負かしてくださいって言ってるようなもんじゃんかよ!
だ、ダメだ! や、ヤメロ! もう腹筋がもたないぃぃ!!!』
パールがそのように感じる中、軍司令長官は構えから必殺必中の剣を突き出したのであった。
キィ――――――――――――――――――――ン!!!
とても鋭い金属音が鳴り響いた。
結果としては軍司令長官の剣の突きに対して、魔王様は拳を突き上げただけであった。その拳は軍司令長官の剣を折り吹き飛ばしたのであった。
そして吹き飛ばした剣先は闘技場の壁まで飛ばされてそのまま突き刺さっていた。
「一撃必殺? 百発百中だっか? えっとなんじゃったかな? とにかくワシには当たっとらんようじゃがのう?」
「なに!?」
軍司令長官はそう言いながら折れた剣を捨てて後ろに飛びいったんパールと距離を取った。
そして今度はあちこちに移動しながら魔法で火・氷・土の塊を発生させながらパールに向かって放っていた。見た目からして明らかに強力そうな魔法である。
しかし、パールは避けるわけでもなく、向かってくるその魔法に対し手足を使って薙ぎ払っていた。薙ぎ払われた魔法については闘技場施設にぶち当たり豪快に破壊していた。
軍司令長官はいったん攻撃を止めて再度パールと対峙した。少し沈黙があったが、それを打ち破ったのはパールであった。
「どうしたのじゃ? 何度も言っておるがワシはまだケガもしとらんぞ? すぐに倒して本気のワシと戦うのではなかったか?
おぬしは戦闘能力が高くて、ワシとも戦えると言っておったがそれはおぬしがひとりで踊ることであったのか?」
わかりやすく煽るパール。それに対して顔が引きつっていく軍司令長官であった。
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跪いてイベントを無事にこなし、公爵をひとり失ったが、
なんとか他の公爵の人心掌握に成功した魔王様。
バンパイア領へギジと向かうのだが、これもお約束の展開が待っている!
これはもうブクマも☆も付けるしかありませんね!
いや、付けるでしょ?☆もブクマも?
いえ、ぜひともめちゃくちゃお願います。ほんとにお願いします!☆とブクマ!
この後の展開もぜひとも楽しんでいってくださいね!
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