第3章:ジルド(元)公爵領へ向かうぞ!やっぱりドタバタするんです

ジルド(元)公爵領へ向かうぞ!01

 パールとパステル、ギジでバンパイア領、いや、旧バンパイア領に来ている。先日、イベントをこなして内示の勅命を下したからである。


 ちなみにパステルの護衛はギジに任せてある。ギジも本来であれば公爵なので護衛が付く立場であるが、彼に負傷させることができるのは少ないからだ。それこそドラゴン数体でも渡り合えるだろう。それほどの武闘派公爵である。


 ギジも快く護衛を引き受けてくれた。



 そして、通称バンパイア城。吸血鬼たちの貴族、その中でも大幹部が総出で迎えてくれているのである。





「魔王様。お待ちしておりました。」


 バンパイア領の内務卿が声を上げてそして迎え入れてくれた。パールたち3人は後に続いた。


 そしてバンパイア城の玉間に着いた。パールはそのまま玉座について、左右にパステルとギジを立たせたのである。




『さて、今回わざわざ自分がこのバンパイア城に来た理由は二つ。


 ① バンパイアたちに反逆の意思を持ったものがいるかどうかの確認

 ② ギジが新領主になるための勅命を伝えることとその調整


「②」の調整というのは、鬼族とバンパイア族が何故だか犬猿だからである。まあ、理由については今回とやかくいうのは不毛なのでやらないけど、新領主に鬼族を据えるとなるとバンパイアからも反発はでるだろう。


 もともとジルドも反逆を考えていた可能性もあるし、より深刻に反発される可能性もあるそこをなんとか平和的に解決できれば良いというのが今回の主旨だな。


 しかし、平和的にって言っても今は萎縮モードか、逆に怒りモードの可能性もあるのでその辺見極めながら押したり引いたりして調整する必要があるよね。


 ああ、今回も難しいかじ取りだなぁ………。』




 そしてパールは話を始めた。


「卿たちもすでに聞いておるとは思うが、領主のジルドは儂に不敬を働いたため、儂の権限において処刑した。

 これについて異があるものは申してみよ。」


「ありません。」


 内務卿、軍司令長官のふたりの大幹部は答えた。バンパイア領の中でふたりいる侯爵で実質的なナンバー2のふたりである。



『まあ、普通はそう言うよな? しかし、そんなわけが無いのでさらに深堀してきいていくしかないわけで。』




「本当に無いのか? いや、そんなことは無いじゃろうて。


 このままじゃと領土没収となり、ギジを新領主とする内示を出すことになるだけじゃが?

 本当にそれで良いのか?」


 パールのさらなる言葉に対しても貴族たちはだんまりを決め込めこんでしまった。



『うーん、だんまりか。これだと良いのか悪いのかわからないよな。というか、こういう時は経験上だいたい「ダメ」なんだよね。


 ということで、魔王様らしくさらに煽りながら問題点を炙って(あぶって)いくしかないな。』



 引き続きパールのターンである。今度は内容をより具体的にした。


「そうじゃのう。じゃったら少し言い方を変えてやろうか?


 卿たちのジルドはワシに不敬を働いたのじゃからのう。ジルドを敬愛するおぬしたちであればその意思を継いだりとか無いのか?


 おぬしたちも大なり小なりワシへの不満というものがあったりするんじゃないのか?


 このまま中途半端に処分を下すよりも、おぬしたちにはしっかりと納得してワシへ忠誠を誓ってもらいたいのじゃよ。どうすれば良いじゃろうか?」


 ここでいったん言葉を止めるパール。そして周りを観察する。



『おっ? ちょっと空気感が変わってきたように思えるな。陰湿な感じになったように感じる。この方向でもっとつついてみるかな。』




「そういや、おぬしたちは父上との大規模な戦闘に敗れて、従属したということじゃったな?

 確かその時はとても僅差での勝敗だったと聞いておる。その点で不満があるのじゃろうか?


 ならばワシもそのように武を示せば良いじゃろうか?


 ワシならおぬしらなど全員で掛かってきたとしても圧倒的に殲滅する勢いで駆逐できるじゃろうしな。


 万が一にも後れを取ることは無いし、なんならケガのひとつも負わせることはできんじゃろうて。ハンデのひとつでも無いと勝負にならんわ。


 そうそう、ジルドにしてもワシが虚を突いたからやられたなんて思われても癪じゃからな。」



 このパールのあからさまな挑発に軍司令長官はピクピクと反応していた。もちろんそれを見逃さないパールであった。




『おお! イイ感じの反応じゃん! とっさに出てきた言葉だけど、特に最後の一文が効いたのかな? 確かにあれば自分でもカチンとくるわ。


 ここは一気に挑発レベルを上げていくぞ!』




「ならばどうじゃろう? ワシと手合わせをするというのはどうじゃ? ワシに勝てたら魔王の座はくれてやっても良いぞ?」


 このパールの言葉に対してさすがに貴族たちがざわつき始めた。



『ここは定番の勝ったら〇〇してやるぞ! の展開だけど、さすがに定番なだけあって効果抜群だね!


 バンパイアのみんなめっちゃざわついてるやん。定番は定番だからこそ定番なんだな!』




 すると、軍司令長官が発言した。


「魔王様。発言をお許しください。」


「ふむ。よかろう。」



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 跪いてイベントを無事にこなし、公爵をひとり失ったが、

 なんとか他の公爵の人心掌握に成功した魔王様。

 バンパイア領へギジと向かうのだが、これもお約束の展開が待っている!

 これはもうブクマも☆も付けるしかありませんね!

 いや、付けるでしょ?☆もブクマも?

 いえ、ぜひともめちゃくちゃお願います。ほんとにお願いします!☆とブクマ!


 この後の展開もぜひとも楽しんでいってくださいね!




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