4大公爵全員集合!05
ボォン!!!!!
ゴキッ!!!!!
まさに、ザ・SEとも言うべき、鈍い音が周りに響いた。
パールの左手はジルドの首を刎ね(はね)、右手はジルドの胸を突き刺して心臓を抉り出していた。
その後、ジルドの心臓は真珠と化して、パールはそのまま地面に落とす。血しぶきと一緒に心臓も粉々に砕けて散っていった。
この斬撃にもちろんのこと周囲の空気が凍り付く。しかし、誰一人として悲鳴など声は挙げなかったのは流石であった。
その後、パールはマントをひるがえしてゆっくりと玉座に戻っていった。残った3人の公爵と秘書や警護の者たちはその場で跪いて頭を下げていた。
玉座につき、パールは言葉を発する。
「卿たちに問う。
ジルドはワシの命を背くという不敬と、国家反逆の疑いにより魔王パールによる権限によりワシ自ら処刑した。
これに対してなにか具申する者はおるかのう?」
「いえ、ありません。」
ひとり欠け、3人となった公爵は答えた。
「そうか、ならば良い。皆よ、頭を上げてくれ。
今回、ジルドは不敬と反逆の罪によりワシ自ら処刑することになってしまったが、しかしじゃ、ジルドのこれまでの功績には感謝と敬意を持っておる。なので、亡骸も丁重に扱ってくれ。そしてバンパイア城に届けてやってくれ。
そして感謝と敬意はもちろんのこと、おぬしたち3人も同じじゃし、ワシに忠誠を誓ってくれるすべての者に言える。
確かにワシは強い。おそらく人間どもも含めてこの大陸では一番じゃろう。今この瞬間におぬしら3人に不意打ちをされても負ける気は無い。というか、逆にどんなに残虐な殺し方も可能じゃよ。
しかしな、そんなことはどうだって良いのじゃ。ワシがいくら強かろうがこの広大な国をワシひとりで支えていくことはできんのじゃ。
ここにいる公爵の皆はもちろんのこと、パステルもそうじゃし、貴族の皆がいてくれてようやく国という体裁を保てるというものじゃ。
幸いにもワシには皆という優秀な配下を抱えることができておる。これは本当に幸運なことじゃと思っておる。
そんな優秀な皆の力をワシとこの国、そしてこの国に住むすべての領民のために使ってはくれぬだろうか?
ワシはワシに忠誠を誓ってくれる皆を家族じゃと思っておるんじゃ。」
思わず大演説となってしまったパールだった。しかし、場の空気は一気に和み、みんなはとても好意的に受け入れてくれたようであった。
そして、サファリ公爵がとても鼻息荒く、興奮気味にパールに言った。
「ああああぁぁ。魔王様! 魔王パール・パープル様ぁぁぁぁ!!! なんというもったいないお言葉を賜ったのでしょう!
それに、これほどまでに美しく愛らしい魔王様の残虐でかつ優雅なお姿を見ることができました。エルフの村でのこと以来ですわ!
私めの今日一番のご褒美となりましたわ! そして、個人的にもお慕い申し上げておりますぅぅぅーーー!
今後も微力ながらお力添えをさせていただきますので、存分に我々を使ってやっていただけませんか?」
サファリ公爵の言葉にふたりの公爵も頷いていた。
「うむ。皆の忠義、誠に大儀である。心から敬意を表するぞ。」
パールはその場で立ち上がり皆に言った。
「ジルドを失ったことにより、新たに内示を言い渡さねばなるまいな。さて、どうしたものじゃろうか?」
パールは言葉を続けながら再び玉座につく。今度はちょっと考え込んでいる表情であった。
「まずはバンパイア領じゃが、まがりにも領主の不敬罪による処刑をしている手前、再びそこから領主を出すことは無理じゃな。実質的にお家断絶じゃ。
で、新領主はギジ、おぬしに任せるとする。由緒ある領土じゃし、おぬしとしても箔がつくであろう?」
「魔王様の勅命とあれば喜んで奉勅いたします。しかし、併合した東の領土に居城と街を建設していますが、それは如何いたしましょうか?」
「うむ。すべて放棄せよ。もともと街づくりもうまくいっておらんようじゃからのう。」
「そ、それは申し訳ございません。私の力が及ばず不甲斐ない状況となっています。」
「いや、そんな卑下にならなくとも良い。おぬしは充分にやっておるよ。おぬしに責をいうつもりは毛頭ない。というか、感謝しておるよ。
もともとエルフの村も結構な森じゃが、それより東となるとさらに濃い森でかつ湿地帯じゃ。あんな場所に街を作るといったワシの責じゃろう。
おぬしの領民たちを連れてバンパイア領、いや、もう旧バンパイア領じゃな。そちらに連れていくが良い。そして、どうしてもその土地に残りたいというのであれば、比較的街づくりが成功しておるエルフの村の東の街に集めて住むが良い。
それ以外の場所は原則領有そのものを放棄する。残る予定の者たちはエルフの領土に組み込むものとする。」
「承知いたしました。恐れながらもう1点心配事がございます。
魔王様もご存じの通り、我々鬼族と吸血鬼族は相容れない関係となっております。」
「うむ。それは知っておる、というか、そっちのほうに責を感じてもらいたいくらいじゃが、こればかりはとやかく言ってもしょうがないがな。
そちらの領民で抵抗するものがおった場合はワシの名に於いて粛清しても構わん。ああ、そうじゃのう。これはワシも一度旧バンパイア領に出向くとするかのう。
不敬罪とはいえ、4公爵の一角を処刑したのじゃし、ワシ自ら出向いたほうが良かろう。
それにジルドがあの様子だったから、ほかにも変なことを考えておる輩がいるか確認する必要もあるしな。
うむ。パステルよ。近日に旧バンパイア領に向かう旨、向こうの内務卿に伝えておいてくれ。
それとギジよ。おぬしも一緒についてまいれ。」
「承知したっス。」
「賜りました。」
パステルとギジは返事した。
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なんとか伯爵の反乱を説得だけで収めた魔王様。
自身の威厳を確認、再度示すため4大公爵を呼びつける。
さてさてどうやって威厳を示すのか?
これはもうブクマも☆も付けるしかありませんね!
いや、付けるでしょ?☆もブクマも?
いえ、ぜひともめちゃくちゃお願います。ほんとにお願いします!☆とブクマ!
この後の展開もぜひとも楽しんでいってくださいね!
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