4大公爵全員集合!03

 そして1時間後の13時にふたりは玉間へ現れた。

 到着したふたりに対してかなり切れ気味でパールは言うのであった。


「ジルドよ。ワシの命に対して遅れるとは何事じゃ? 理由があるなら申してみよ。」


「私も領主として領内でいくつも重要な仕事を抱えております。このような急な呼びかけにも駆け付けたではありませんか?」



「なっ? ワシの命なのじゃぞ? それよりも重要なことなどなかろう? それにおぬしは瞬間移動魔法も使えたはずじゃが?


 まあ、今はよかろう。」



 そしてパールは次にマリーのほうを向いて語りかける。


「で、同じ質問なのじゃが、マリーはどうなのじゃ? おぬしの居城としては隣の塔であろう? 歩いても10分程度でつくじゃろうが?」


「も、申し訳ありません。私も午前中にとても大きな商談がありまして………。」



「はっ?


 さっきも言ったが、ワシの命であるぞ? いくら大事だからというても後にすればよかろう? まあ、これもいったんは置いておこう。」




 いったん間を置く魔王パール。


 玉座の前に並ぶ4人の公爵、そしてさらに後ろには彼らの秘書や護衛の兵士たちが並んでいる。

 だんだんと緊張感が張り詰め行くのが手に取るようにわかる。


 重厚な雰囲気になったときにパールは言った。




「さて、今回は4人の公爵に集まってもらったのはほかでもない。常日頃の卿たちの忠義を確かめるためのものじゃ。


 本日、改めてワシへの忠誠について己が名において誓え。ワシの元へ来て跪いてワシの右手に誓いの口づけを交わせ。」



「なっ!? そんなことのためにわざわざ我々を呼んだのですか?」


 パールの言葉に対してジルドが言葉を漏らしてしまった。



「そんなこととは何じゃ? ワシへ忠義を尽くすことに何か不都合なことでもあるのか?


 ならば、もっとわかりやすく言ってやろう。要はワシが皆の忠義に疑義を抱いておるのじゃ。これを確認するのはおかしな話ではなかろうて?」


 さらにパールが補足する。かなり含みのある高圧的な物言いである。




 これに対して、まずはサファリ公爵が動いた。


『サファリ公爵はいわゆるダークエルフである。ややたれ目なところがあり、褐色の肌と銀髪をベースにブラウンも混じっている髪がとてもきれいだ。


 ちょっと露出度が高めだが、いかにも冒険者のエルフという服を着ている。胸もそこそこあるため、目のやり場が困るところもある。


 なので、可愛らしいと色気を両方兼ね備えた女性である。


 見た目は20歳前半であるが実年齢は不詳である。エルフであるのでそれなりの年齢ではあるのは推測できる。』



「我々一族の魔王様への忠義は私が公爵の地位を拝命したときから1ミリたりとも揺らいでおりませんわ。」


 そしてサファリ公爵は跪いて魔王の右手に口づけを交わす。


「うむ。大儀である。」



 パールの言葉に対してさらにサファリ公爵は言葉をつづける。


「パール様が我々の村へ来て、圧倒的なお力をお示しになったあの時から、私はパール様のその愛らしいご容姿と圧倒的なお力に心を奪われてしまいました。


 個人的にもとてもお慕い申し上げております。っていうか、なんてお可愛らしいお身手なんでしょう。」


 そしてサファリ公爵は魔王の手を両手でしっかりと握って離そうとしなかった。



「アハハ。確かにおぬしにはそんなところがあったな。おぬしの忠義はワシにも届いたぞ。しかし、ちょっと後がつかえておるのでそろそろ手を離してもらえぬか?」


 パールの言葉にあからさまに残念そうにしぶしぶ手を離すサファリ公爵であった。そして次はギジ公爵が動く。



『ギジ公爵は鬼族のオーガである。薄い青色の目が特徴的で、オデコから2本の角が生えている。メガネがあったら似合いそうな優等生イケメンである。』




「わ、私の働きが至らないばかりに魔王様にいらぬご心配をお掛けしました。心よりお詫び申し上げます。


 私と配下の者は魔王様への忠義を再度誓うと約束するとともにより一層励むことを約束いたします。」


 ギジ公爵はそう言って跪いて口づけを交わした。



「うむ。大儀である。おぬしの忠義にも感謝するぞ。


 しかし、おぬしについてはちとまじめすぎるぞ。もう少し肩の力を抜いてもらって問題ない。根を詰めすぎるでないぞ。」


「はは。もったいないお言葉です。」


 パールの言葉にギジ公爵は答えた。

 ふたりが口づけをしたときにいったん間が空いてしまった。




 その後、さらにパールは話を続ける。次に語り掛けるのはマリー公爵である。


『マリー公爵は魔族の中でいわゆるサキュバスだ。キツイ吊り目なのだが威圧感はない。紫の瞳はまさにアメジストを連想させる。


 そんなキレイ系女子なのだが、なんというか、超が付くほどの真面目で優等生である。本当にサキュバスなのか怪しくなるほどである。


 そしてマーメイドタイプのドレス風な衣装をまとっていて、とてもスタイルが良いためにすごく似合っている。ここはさすがサキュバスといったところであろう。』



「さて、マリーよ。おぬしはどうなんじゃ? 何をそんなにためらう必要がある? よもや不敬を働いているわけでもあるまいて。


 しかしワシも幸せ者じゃのう。おぬしのような美しく聡明で優秀な配下がおるんじゃからのう。父上も魔王のときは、それはもう頼りにしておったし、鼻も高かったじゃろうて。」


 言葉の内容に嘘はなく、優しいようで褒めている言葉を投げかけるパールだが目は厳しく鋭い。誰の目から見ても威圧していることがわかる。



「わ、わたしは………。


 先代様や魔王様には遠く及びません。今、こうして公爵の職を全うしていられるのも先代様のご配慮とジルドが強く推してくれたからであって、もともとわたしにそのような資格も能力もなかったんです。」


「何を言っておる? ワシの前じゃからと言ってそのように謙遜せんでも良いぞ? ワシの居城の領土について見事にまとめておるではないか。


 ジルドのバンパイア領に比べはるかに荒廃しておった我が領土。居城もバンパイア城に引けをとらぬものに改修されたし、領土・領民も荒れ放題だったところを区画整理からまとめ上げて立派に都市化させたではないか!


 これは父上も良くほめておったし、ワシも物心ついたときから敬意を抱いておるのじゃぞ? 少なくともワシにはこんな真似事はできん。」


「も、もったいなきお言葉。」


「うむ。それでもう一度問うぞ? マリー、おぬしはどうなんじゃ? 己が名により、ワシに忠誠を誓ってくれるか?」


 さすがのマリーもいつもと違うパールの雰囲気にあてられて空気感を察知したのか、跪いて口づけを交わしたのであった。



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 なんとか伯爵の反乱を説得だけで収めた魔王様。

 自身の威厳を確認、再度示すため4大公爵を呼びつける。

 さてさてどうやって威厳を示すのか?

 これはもうブクマも☆も付けるしかありませんね!

 いや、付けるでしょ?☆もブクマも?

 いえ、ぜひともめちゃくちゃお願います。ほんとにお願いします!☆とブクマ!


 この後の展開もぜひとも楽しんでいってくださいね!




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