スワッピング転生完了!04

 熊の獣魔族である。それもあり身体は大きくて190センチはありがっちりしている。しかし、目も大きくぱっちりしていて顔は可愛い感じのイケメンである。


 性格もきさくでフランクで、領民からとても愛されている。しかし、頭がそれほど良くないためたまに突拍子もないことを言っては秘書を困らせるのである。



 そしてバックスはパールの対面に座って話しかけてきた。


「ええ、本日は遠路はるばるお越し下さってありがとうございます………。」


 よくあるつまらない冒頭のあいさつ文が始まろうとした。それを見かねてパールはさえぎった。



「よいよい。そんな堅苦しい挨拶なんぞ不要じゃし、そもそもおぬしはそんなキャラでも無いじゃろう。ワシをこの部屋に通してくれたんじゃから話したいことがあるんじゃろ?


 聞いてやるからさっさと話せ。なぜ反乱なんぞ起こそうとしたんじゃ?」


「す、すいません。そ、それじゃあ早速。」


 そう言ってバックスは自身の置かれた状況や不平・不満などを語りだした。なかなかに要点が絞れていない、的を得ない話であったが内容を要約すると以下のようである。


 ・魔王領の中で唯一人間の領土との接点があり絶えず人間と争っている。

 特に勇者との戦闘が激しく損害が甚大で、これにより領民が金銭的にも人員的にも疲弊が激しい。

 ・西方のドラゴン族の監視を行っているが、ドラゴン族の内部抗争に巻き込まれて監視員がよく負傷する。

 ・他の領主に比べて圧倒的に負担が大きいのにそれに対する報酬や援助が少ない。

 ・そんな中での降格というのは納得いっていない。これは領内の他貴族も感じているということ。



『なるほど。言いたいことはわかったけど、しかし、これってバックスに与えている仕事なわけでこれができないとなるとそもそも領主としてどうなの?


 となるんだけど、懇切丁寧にど正論をぶつけたところでもっと反発されるだけだな。もうちょっと話を聞いてみるかな?』



「それでバックスよ。不満はわかったが、それでどうするというのじゃ?」


「はい。自分的にはこの地を独立させて完全な中立国にして今後は戦闘の負担なくこの国を発展させていきたいと思ってます!」



「なんか言いたいことを言ってすっきりした良い表情をしておるがいろいろとツッコミどころ満載じゃぞ?


 まずは、ワシが独立なんぞ許すはずなかろうて? それは理解しておるか?」


「魔王様にはもしかしたら反対されるかもとは思ってました。でも、説得します!」



「ほう? 説得とな? どうやってじゃ?」


「どうか独立を認めてください! お願いします!」


 バックスはそう言って立ち上がり、腰を90度折って頭を下げたのだ。




『うわー、泣き落としかよ! オレもサラリーマン時代失敗したときはとりあえず謝ったなぁ。


 もちろん誠意を見せるのは大前提なんだけど、でもこれって実は何の解決にもならないやつなんよねぇ。


 うん。でもバックスのこういう一途なところは嫌いにはなれんな。これが領民たちに好かれるところでもあるんだろうね。しかしなあ………。』





「バックスよ。頭をあげよ。とりあえずひとつ話をしてやろう。おぬしは独立や中立と叫ぶがな、ちゃんと準備はしてきたのか?」


「準備というのはなんですか?」



「おぬし、本当にキョトンとしておるな。この独立において誰か相談した配下の者はおるのか?


 ほかにもドラゴン族や紛争中の人間の国とは調整しておるのか?」


「いえ。特には………? なにかまずいんですか?」



「あーあ、そうそう。おぬしのそういうところじゃぞ。バックスよ。じゃあ、このまま独立したとしてこのあと何が待っておるかわかるか?」


「中立国として戦闘は終了して内政に注力できますので国をより一層発展させます!」



「おぬしのそういう真っ直ぐなところはワシも好きなところじゃ。じゃが、国の運営とはそんな簡単なもんじゃないんじゃよ。


 本国であるワシの後ろ盾が無くなるということじゃからな。人間どもがここぞと思って大群で攻めてくるであろうな。


 あと、ドラゴンたちも内争の理由のひとつに領土不足があろうからな。隣接するここに攻めてくる可能性もあるぞ?


 それにワシだってな。他の諸侯たちの手前もある。おぬしを反逆者として処刑して領土を取り戻さねばならんのじゃ。」


「いや、だってほかには関係ない話じゃないですか?」



「残念じゃが関係ないとはいかないのじゃ。今話したことが事実じゃ。そしてな、控えめに言ってもおぬしは死ぬことになると思うぞ。


 そもそも今こうして会話をしておるから良いものの、もし、昨日のワシからの使者を拒絶しておったら、今頃は軍勢とともに来ておったぞ?


 まあ、そういうことじゃな。」


 パールの言葉があまりにも衝撃的過ぎたのか、バックスはさすがに混乱しているようであった。

 少しだけ間を置いて、落ち着きはまだ戻っていなかったがさらにパールはバックスに畳みかける。



「さて、バックスよ。ワシとして優秀なおぬしを失いたくないと思っておる。確かに抜けておるところもあるがそういうところも含めてワシも領民もおぬしを好いておる。


 反乱なんぞは止めにして、再びワシに忠誠を誓ってはくれぬかのう? 今引いてくれるのなら特に罰も無く不問にできようぞ?」


「確かに、魔王様の言う通りなのかもしれないです。

 でも………。


 でも、どっちにしても人間どもからの侵略が激しくて、領民たちはどんどんと疲弊していくばっかりです。それにドラゴン同士の抗争の被害も地味にしんどいです。


 それならひとときでも平穏を勝ち取るためにも独立を選んだほうが良いと思ってしまいます。」



「うむむ。そうか………。


 しかしまあ、確かにほかの諸侯に比べても実際に戦火を交えておるのはおぬしだけじゃからな。負担が大きいというのも一理あるのかもしれぬ。そこはワシにも責はある。


 だったらこうしようではないか?


 まずは資金不足と言っておったな? これは今すぐ増額しようではないか。そして人員については今すぐというわけにはいかんがこれも近いうちになんとかしようぞ。


 そして人間に奪われた領土を奪還して一泡吹かせてみよ。さすれば公爵の地位を返してやるし、今は伯爵としてうやむやに統治をやってもらっとるが領土も正式に返してやるぞ?」


「ほ、本当ですか? 魔王様???」



「ああ、本当じゃとも! ワシは魔王じゃからな! もともとはおぬしも公爵じゃったのじゃし、ちゃんと実績をあげればほかのみんなもわかってくれるじゃろう。」


 この言葉にバックスの表情は明るくなってきてる。



『うんうんうん。かなーり良い感じに効いてるぞ! 相手に有利な条件を提示したおかげで会話の主導権もこっちに流れてきた。


 向こうが感情的に訴えかけているんで、こっちもちょっとそれらしいことをぶっこんでちょっと下げてみるか。』



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 さて、始まりました幼女魔王様とのスワッピング転生!

 いかがでしたでしょうか?

 ストーリー展開、キャラの魅力満載でお送りしておりますよ!

 これを見たあなたはもうブクマも☆も付けるしかありませんね!

 いや、付けるでしょ?☆もブクマも?

 いえ、ぜひともめちゃくちゃお願います。ほんとにお願いします!☆とブクマ!


 この後の展開もぜひとも楽しんでいってくださいね!




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