第18話とある神様とカエル

 とある山奥のとある古い神社にとある神様が独りで住んでいた


今は梅雨、しとしと雨の降る中、神様は神社の渡り廊下で

雨に打たれる池を眺めていた


ゲコ、ゲコ、ゲコ、ゲコ、カエルたちの合唱が聴こえる


神様、その歌に耳を傾けると、静かに麦茶を飲む、

すると、神様の肩にとまっていた、すずめが一言、

「神様、しとしと雨が降る中、優雅なカエルの合唱ですね」

と、ちょっと感動したおももちで話しかける


「そうじゃな、梅雨と言えば、カエル、カエルといえば、梅雨じゃ」

神様が廊下に座って、静かに麦茶を飲んでいると、一匹のカエルが

神様の足元に来た

「神様、こんにちは、我々の合唱はいかがですか?」

カエルは自慢気に神様に言うと、神様ニッコリ笑って言った

「おお、カエルよ、なかなかの美声じゃ、今日も雨で嬉しかろう」


神様とカエルとすずめ、しばし、カエルの歌に耳を傾け、満足する

カエルは、静かに言った

「神様、いつも我々を見守ってくださり、ありがとうございます」

すると、神様、意外だと言わんばかりに、驚いた顔で

「私はな~んにもしてはおらんぞ」と言った

すずめはそれを見て、くすっと笑い言った

「神様、神様はここにこうしていらっしゃるだけで尊いのです」


神様、それを聞くと、ニッコリ笑い、言った

「すずめよ、そんなものかのう、まぁ、平和でなによりじゃ」


それからしばらく、神様とカエルとすずめ、

雨の池を眺めつつ、カエルの合唱を堪能したのであった

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