第16話とある神様と春の桜

 とある山奥のとある古い神社にとある神様が独りで住んでいる


今は春、桜が満開のこの日、神様はみんなと花見をしていた


小川のほとりに咲く桜の木。山奥の古い神社のすぐそばに、その桜の木はある


「うほほい、うほほい♬、桜だ、桜だ、うほほい、うほほい」

桜の木の下で、ご馳走を広げた神様たち

神様の隣ですずめが歌を歌う

それに合わせて、猫たちがダンスを踊り、犬は遠吠えをする

「にゃー、にゃー、桜だにゃー」

「わんわん、桜だわん」


その踊りを見つつ、カラスはおちょこでお酒を飲む

海の幸、山の幸が勢ぞろい。皆、お酒も食もすすむ


神様、楽しそうなみんなの顔を眺めて嬉しそう

「あ~、よい、よいぞ。楽しいのう、よい宴じゃ」


太陽がさんさんと輝き、風はそよぐ


みんな踊り、歌って、飲んでは食べる


生命力をたたえる、年一回の大切な大切な宴


桜の花は、頭上から皆を祝福するのであった

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