第15話とある神様と恋愛相談

 とある山奥のとある古い神社にとある神様が独りで住んでいた


神様、神社のベンチに腰をかけると、咲き始めた桜をまぶしそうに眺めている

「おお、今年も見事な桜が咲き始めたなぁ」

神様、そういうと、温かいお茶をぐびっと飲みつつ、

隣に座っているすずめのあたまをちょんとつついた


今は春の昼下がり、神様とすずめはいつものように神社のベンチで談笑

しかし、すずめ、さっきからため息をついて、悩ましそう

「おい、すずめよ、どうした?元気ないな。悩みごとでもあるのか?」

ふぅ~、すずめはため息をまたつくと、神様に告白した

「神様~、じつは好きな子ができたのですが、告白できないのです

断られたらどうしようかと思って」

神様、それを聞くと、ニヤニヤして言った

「ほほう、すずめにも春が来たな

すずめよ、男なら当たって砕けよ。いざ、突撃だ」

「神様、砕けたくないですよ~、そうなりたくないから困ってるのです

もう、神様はいつも適当なんだから」

そういうと、すずめはぷ~っとほうをふくらませて、不満げ

神様、恋愛経験不足で、適当なことしか言えないのであった


神様、お茶をぐびっと飲むとふたたび、すずめに言った

「すずめよ、告白しなければ、なにも始まらないぞ

恐れてばかりでは、春は過ぎ去ってしまう。いざ、突撃だ」

「神様、あなたは突撃しか方法を知らないのですか?

ふぅ~、神様に相談したのが間違いだった」


神様、またもニヤニヤしつつ、言う

「私も昔は突撃したもんだ。特攻の神と恐れられたものだ」

「神様、それ自慢になってませんよ。恐れられてどうするんですか?」


神様、空を見上げると、ポツッと言った

「まぁ、すずめよ、時には考えるよりも行動だ

結果を恐れては、なにもできんぞ」

それを聞くと、すずめ、はっとして神様を見た

「神様、たまにはいいこといいますね。そうですよね

行動しなければ、なにも始まらない、神様、頑張ってみます」


「ところですずめよ、お前の好きな相手は誰だ?」

「はい、となりの山に住む、めじろのぴーちゃんです」


神様、それを聞くと、がっくりして言った

「すずめよ、いくら多様性重視の世の中とはいえ、それはムリがあるかもな」

「こんど、すずめのチーチーちゃん、紹介してやろう」


それを聞くと、すずめ、ああやっぱりダメかとがっかりしてお茶を飲む


多様性の時代、すずめとめじろの恋のゆくへはどこへやら

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