第13話とある神様と読書

とある山奥のとある古い神社に、とある神様が独りで住んでいた


今は秋も深まってきたころ、神様、神社の奥の部屋で

ストーブに当たりながら本を読んでいた


「う~ん、もしやこいつが犯人かや?」

神様、なにやら独り言を言いながら熟読、時間のたつのも忘れる

すずめが神様の隣にちょこんと座って、お茶を飲んでいる

「神様~、いい加減、犯人捜しは辞めて、先に進みましょうよ」

神様はそれを聞くと、ちょんとすずめの頭をつつき、言った

「すずめよ、今いいところなのじゃ、

 連続殺人犯の証拠がちょっと出てきたのじゃ、犯人はこいつかのぅ」

神様、どうやら推理小説を読んでいるらしい

なんとも神様らしくはないが


すずめはお茶を飲みながらも、神様をじっと見つめ、楽しそう

神様が喜んでいる姿は、かわいらしいなぁとすずめは思う

神様、人間だったらモテただろうなぁ、などと思うすずめであった


「う~ん、犯人はこいつではないのか?してやられたわい」

神様、犯人探しにやっきになっている

それを見守るすずめ、お茶をぐびっと飲む


神様とすずめ、今日も秋のひんやりした夜が更けていくのだった


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