第2話とある神様とこたつ

 とある山奥の古い神社に住む、とある神様

今日も神様、とくにやることもなく、のんびりこたつで昼寝

ぐーすか、ぐーすか、夢心地

そんな雪の降る寒い日、神様のこたつには、カラスとすずめが来ていた

「すずめよ、神様は寝てしまったな」

とカラスが言うと、すずめはのんびりした感じで言う

「そうだね~、神様寝ちゃったね~」

こたつの卓の上には、米粒などの鳥の餌が置いてあった

それをカラスとすずめはつつきながら談笑

なんとものどかな昼下がりである

このカラスとすずめ、いつも仲がいい

なにをするのでも一緒。片時も離れない

この神社で出会ったのだが、この二匹と神様

ちょくちょく遊ぶようになった

いうなれば遊び友達

今日もこうして神様の神社に二匹はお邪魔させてもらっている

「そういえば、この神様、いったい何の神様なんだろう?」

カラスがそう言うとすずめは目をパチクリさせて言った

「そうだね~、なんの神様か分からないね~

いつも神様らしいことしてないもんね~」

「そうだよな。いつも我々と遊んでいるだけだもんなぁ」

「ね~、よく分からないよね~」

この二匹、こうしてたわいもない話題でまったりと楽しんでいる

そとは雪景色。その美しさに目を奪われながらも、二匹は餌を食べる

「そうだ、神様が起きたら、何の神様なのか聞いてみよう」

カラスがそう言うと、すずめも大きくうなずいた

神様が起きてくるまで、こうして二匹、餌を食べつつ、のんびりしていた

どれくらい時間が経っただろう。神様が起きてきた

「う~ん、むにゃ、むにゃ、もう食べられないぞよ」

神様は寝言を言いながら、むくりと起き出した

カラスとすずめは嬉しそうに神様を見た。そしてカラスが尋ねた

「神様、おはようございます。ところで、お聞きしたいのですが、

神様は何の神様なのでしょうか?」

神様は目をこすりながら眠そうに、みかんを食べ始める。そして言った

「私が何の神様じゃと、そんなもの愚問じゃ。私は全知全能の神じゃ」

カラスが笑うと、すずめも真似をした。そしてカラスが言った

「神様、全知全能の神様がなぜこんな山奥の神社でお独りで住んでいるのですか?」

神様、ようやく目が覚めたらしく、ニヤッと笑うと答えた

「私が世に出ると目立つであろう。なので山奥に隠れて、世界の秩序を管理しておる」

すずめがそれを聴いて、ニコッと笑うと、言った

「神様、まぁ、お世話になっているので、そういうことにしておきましょう」

神様もニコッと笑うと二匹に言った

「そうじゃ、そう言うことにしておくのがいいのじゃ

世の中には知らなくてもいいことがあるものじゃ

お前たちは、私の本分について大まかに分かっていればいいのじゃ」

そう言うと神様、みかんを美味しそうに食べる

こうして神様が何の神様なのか、いまいちわからないままだが、

二匹と神様、こたつでぬくぬくしながら、笑いつつ、

今日も楽しいひとときを過ごすのであった



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