第35話 気のせいであってほしい

僕達は森の中へと歩いて行った。


「あーそれにしてもさっきのジョティーヌ怖かったね。」


メガネの背中に乗っている鳶がそう言った。

どうやら刺された横腹の痛みも引いたようだ。


「聞いてたの?」


「もちろん。あれって本心?」


「本心って言ったらみんなはどうする?」


ジョティーヌはそう言った後、軽くウインクをした。


「あれが本心ならちょっとヤバい奴って思うな」


新見はそう言いながら頭を搔いた。


「俺も新見と同じだ」


優志が言った。


「僕は」


バンッ


胸に痛みを感じた。

皆が僕の方を見る。


「ごめんなあ」


1つ結びの男がそう言った。

手に何かを持っているのが見えた。

僕は下を向き胸の辺りを触りながら確認した。


ベチャ


何かが僕の手についた。

これはきっと気のせいだ。

気のせいであってほしい。

そう思いなが手のひらを見た。

そして今、気がついた。

僕は1つ結びの男に銃で撃たれたのだ。


「どうして?」


僕は訳が分からなかった。

どうして自分が撃たれたのかが分からない。


「俺は最初の殺人が起きた時に過ぎったんだあ、恨みを持った人と恨まれた人がここに集まっているんじゃないかってなあ」


「え!?」


「俺はお前の事を恨んだんだよお、俺の親友がお前によって殺されたからなあ」


「それって誰の「わかるだろお?お前と同じ学校の生徒だあ、そしてお前のことを友達だと言っていた正人まさひとだよお」」


その名前を聞いて涙が出てきた。

懐かしい名前だったからだ。

友達だったからだ。

あの時僕は気を使われて、それに腹が立って正人を殺した。

僕は本当に悪人だ。

罪人だ。

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