第34話 ジョティーヌの思い

「お兄ちゃんが死んで正直安心した!お兄ちゃんはシスコンでいつも私についてくるんだもん!」


「そうなんだ。じゃあこのお兄ちゃん貰っていい?」


「え!?」


全員がその言葉に驚いた。


「私の家族はもうこの世にいないの。お母さんは会社を必死に立て直して、ヒット商品を出した後に事故で死んだわ。5年くらい前ね。おじいちゃんもおばあちゃんも1年前に病気で死んだ。だから血は繋がらなくてもいいから家族がほしいなって思って…」


「も、もうお兄ちゃんは死んでるんだよ??」


「確かに死んでいるけどそれでいいわ。ワタクシの有り余る程のお金で何とかする。」


「何とかって何よ!」


ちなは少し怒っている様子だ。


「例えば体を凍りつかせるの。冷凍保存みたいにするってことよ。死んでも体は永遠にそこにある。それが出来れば寂しくないわ。」


「そんな…ふざけないでよ!」


「ふざけてる?ワタクシは本気よ。」


「!?」


「貴方を殺さずに生きる方法はここから出ること。ここを出たら孤独になるわ。だから「やめてよ!私のお兄ちゃんなんだから…殺してやる!」」


ちなはジョティーヌの方へと走った。


「貴方の負けよ、ちなちゃん。」


そう言うとジョティーヌはちなの太ももをめがけて銃を撃った。


「ぁあああああ」


ちなは叫び声を上げた。


「ジョティーヌその銃は?」


「あの男からスったのよ。」


ジョティーヌは1つ結びの男を指さした。


「確かに俺の銃がなくなってるなあ」


「罪人か、」


メガネがそう言った。


「違うわよ。私は昔も今も、誰も殺してないわ。」


みんながちなの方を見る。

確かに死んでいないようだ。

まだ意識があった。


「ほら、さっさとここを出るわよ。」


「出るって言ってもどうやってだ?橋も渡れないし」


優志が難しい顔をした。


「それなら鳶くんが見つけたあの扉から出られるかもしれません。」

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