第31話 双子
「確かに親見の言った通り、あの子は2人居たみたいだな」
優志はそう言うと親見を撫でた。
「しかしあの状況どうする?」
親見はそう言うと眉間にシワを寄せた。
「早くここから逃げろ…」
名足のかすれた声が聞こえた。
「名足…」
「俺ちゃんのことは放っておいてくれよ…」
名足は何故か笑顔だった。
「俺は罪人だからこんな死に方なんだな…」
名足の目から涙がこぼれ落ちる。
その光景を見て僕は悔しさが込み上げてきた。
名足はここでの生活に協力的でフレンドリーでとてもいい人だった。
「来世で会えたらよろしく…」
その言葉を最後に名足は動かなくなった。
「ワタクシ達を殺す気があるということでよろしい?」
「イエス。」
「まさか双子だったとはな、」
「言っておくけど私は女だから殺しちゃダメだぞ!ちなちゃんって呼んでね!」
そう言うと彼女はにっこりと笑った。
「あーまさか僕ん達をここに連れてきて、その隙に彼女がリビングにいたみんなを殺すなんてね。」
「そんなに褒めないでよ。」
「あー褒めてないから。」
「話変わるけど、ちなはリビングに来たあの3人から先に殺すか、ここにいる3人から殺すかどっちがいい?」
「目の前にいる敵から頂きたいな!」
「了解。」
女雄は気づいていた。
明達がリビングにいることを。
もちろん鳶達もそれに気がついていて、話を逸らそうとしたが上手くいかなかった。
「じゃあ早速殺すぞ。」
「おっけい!」
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