第30話 静かな家

「同盟ですか。」


こんな話になるなんて思いもしなかった。

金髪も驚いている様子だった。


「そうだ、そっちのグループと俺と親見で同盟を組もう」


僕はこの人達を信用出来る。

そんな気がした。


「いいですね。僕は賛成です。他のメンバーに許可を貰わないといけないですけど。」


「それで構わない」


「俺達のことは名前で呼んでくれていいぜ」


親見くんはそう言うとグッとポーズをした。

この2人とは仲良くなれそうな気がしてきた。


「はい。ありがとうごさいます。」



ガチャ


「戻りました。」


玄関を空けシーンとした雰囲気に違和感を覚えた。


「やけに静かだな」


「親見は知らないだろうがここを出る前犯人探ししていたんだ」


「そうなのか、相変わらず物騒だな」


「犯人探しが終わって疲れてみんな寝てるのか、それとも」


優志はリビングの扉を開けた。

そこには名足達が倒れていた。

見渡す限り意識があるのは名足ただ1人だ。

鳶達の姿は見えないし、少女はその場に立ち尽くしている状態。


「どうした!?大丈夫か?」


優志が名足に声をかけた。

名足は出血が多く、僕達に気づくも動くことは出来なかった。


「俺ちゃん死ぬのか?…」


「死ぬ事を考えてちゃダメですよ。」


僕はそう言った後、少女に声をかけた。


「名足は死にませんよね?」


「おそらく死にます。私達は言われたことしか行いませんので何も出来ませんでした。申し訳ありません。」


何を言っているんだ?

言われたことしか行わないのか。

それも誰かの指示で動いているのか。


「やばいぞ」


親見が大きな声を出した。


「なんだ」


明と優志は親見の指差す方へと目を向けた。

そこには鳶、ジョティーヌ、メガネ。

そして女雄が2人いた。


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