第28話 謎の手紙
タッタッタッ
小屋が見えてきた。
ガチャ
鍵がかかっていない。
朝ご飯を持ってった人が鍵を閉め忘れたのか。
2人はドアを開け、中に入る。
「親見が居ねえ」
「確かに居ませんね。」
小屋には誰も居なかった。
今日の朝ご飯だけに熱が残っていた。
2人は小屋を出た。
「一体どういうことだ」
「助けてって言ってたので誰かに追われているとか。」
「それで逃げ出した訳か」
「手分けして探したい所ですが、それは危険なので2人で探しますか。」
「そうだな」
眠くんは相当焦っているようだった。
額に汗が見える。
いつもみたいな欠伸を1回もしない。
こんな眠くんは見たことがない。
ザーザーザーザー
トランシーバーから音が聞こえた。
「小屋の、後ろの、森の中にいる、ゲホゲホ…」
「親見大丈夫か、今すぐ助けに行くからな」
眠くんはそう言うと森の中を駆け抜けて行った。
僕も必死に後をついて行く。
生い茂った草の中を躊躇うことなく進んでいく眠くんを見て、信頼している金髪の気持ちがわかった気がした。
「
金髪の声が聞こえた。
振り返ると木にもたれかかっている姿が見えた。
「ごめん遅くなった」
「いいんだよ、来てくれてありがとな」
金髪の体には所々傷がある。
息も切らしているようだ。
「それで何があったんですか。」
「実は、こんな手紙が、ドアの隙間に入ってて」
取り出したのは紙切れだった。
「その手紙に「鍵は空いている。小屋の後ろの森で待つ。」って書かれていて行ってみたんだ、ハァハァ」
「俺に何も言わずにか」
眠くんは金髪の胸ぐらを掴みながらそう言った。
「ごめん、まさかこんなことになるとは思ってなくて」
金髪は申し訳なさそうな顔をした。
「森の中に行ったら襲われた訳ですね。」
「そうなんだよ」
「誰に襲われたんだ?」
「女みたいな男っていただろ?アイツだよ」
「そんな訳ないですよ。だってさっきまで僕達と一緒にリビングでご飯を食べていましたから。」
恐らく毒は女雄がやった。
でもこれはまた別の誰かだ。
タッタッタッ
誰かの走る音が聞こえてくる。
その瞬間3人の血の気が引いた。
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