第17話 チーム分け
「どういうことだあ?」
1つ結びの男が女性に近づく。
「この村のルールを守らないと死ぬということです。橋を渡らなくてもこの村から出ることは出来ます。もしこの場所から出たいなら別のルートを見つけてください。」
女性はそう言うと台所の方へと体の向きを変えた。
「そんなの聞いてねえよ」
金髪の男がそう言い女性の方に向かい歩いて行った。
そういえば小屋に連れていくということになって途中で終わっていたことを思い出した。
「そこを動な、」
メガネがロープを持って金髪に近づく。
「今縛んのかよ」
金髪はため息をつくと、逃げることも動くこともなく縛られるのを待った。
ギュッ
「これで終わりだ、とりあえずこの話が終わるまではここにいろ、」
メガネにそう言われ「わかったよ」と頷いた金髪の顔は少し嬉しそうに見えた。
「ここを出ようとした組はルールを守らないと死ぬなんて言われたからか、ここから出ようとしませんね。別ルートの出口があると言うのに。」
僕はそう言いながら辺りを見渡した。
「あーそうだね。皆怖気付いたのかもしれない。」
鳶が言った。
「ルールを守ってここに残る人、別ルートを見つけてここを出る人どちらにも危険が伴う可能性がある、これからはチーム行動した方がいいだろう、」
メガネが言っていることは正しいと思う。
僕もそう思っていた。
「わかった」という声がちらほら聞こえてきた。
「よし、まずは残るチームとここを出るチームに別れよう、」
メガネはそう言うと指示を出し、チーム分けをした。
「出るチームは5人だな、このチームはまずは出口を見つけろ。それから身支度をして出ていく、いいな、」
5人全員頷いた。
「残るチームは4人組を作ってチームごとで行動する、いいな、」
残る全員が頷いた。
「それではチームが決まったところから解散だ、」
メガネはそう言うと僕達の方へと向かって来た。
「私は台所の方で夕食を作ってきます。出来上がるまでお待ちください。」
女性がそう言う。
辺りはすっかり夕暮れに包まれていた。
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