第12話 犯人探し
「僕も犯人探しには賛成しますけど、一旦あの場所に戻りませんか?みんないますし、きちんと話せますし。」
「いや待て、ここにいるメンバーで一旦話す方がいいだろ、」
メガネはそう言うと、道の真ん中で震えている名足を引っ張り僕達の真ん中へと立たせた。
「見つけた時の状況を話せ、」
メガネがまた鋭く冷たい声で言った。
「俺ちゃんは走るのが日課になってて、それで今日も走っててさ、それで何か声が聞こえて振り返ると輝明が死んでたんだよ…」
「声か、」
「輝明はまだその時、息があったかもしれないですね。」
「あーそうなると死亡したのは朝方になる訳だ。」
「誰か死亡時刻とかわかる人がいればね。」
ジョティーヌはそう言うと落ち込んだ表情を見せた。
「犯人は見てないんだよな?」
名足はメガネの言葉にブンブンと首を振った。
「俺ちゃんは何も見てない…」
「どうやら嘘はついてなさそうだな、もう帰っていいぞ、」
メガネの言葉に名足の表情が少し明るくなったのがわかった。
「じゃあ俺ちゃんは帰りますんで!」
そう言うと名足は走って帰って行った。
「そういえばジョティーヌはどこで輝明の上着を見たの?」
「この森で見つけたわ。」
僕は指を指した方向を見た。
するとチラッと人影が見えた。
気のせいだろうか?
いや、気のせいじゃない。
明らかに動いている。
タッ
「あー僕んも行くよ。森の中に見えたんでしょ?」
僕が走ると鳶がそう言いながらついてきた。
「犯人だったらどうするの?殺されるかもしれないよ。」
ジョティーヌが僕と鳶の腕を掴んだ。
「犯人ならこっちが捕まえてやりますよ。」
僕はそう言い残し手を振り払った。
「あー僕んも同じだから。」
鳶がこっちに走ってくる足音が聞こえた。
「俺も行く、」
気のせいかと思い振り返ると、やはりメガネがこっちに向かって来た。
「ここは2人に任せて帰ってもらって大丈夫ですよ。」
「子供が何を言う、」
こういうところがウザイ。
こういう大人は大嫌いだ。
そう思いながらも僕はあの人影を目指した。
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