第7話 相棒誕生
「ここは何ですか?」
「あー分からない。偶然見つけただけ。」
前ここにいた人達の秘密の場所的なものか?
それとも出口へと続く隠れ道とか?
「あーとりあえず中開けてもいい?」
「いいですよ。重そうなので一緒に開けましょう。」
ギィィ
「中暗いですね。」
「あーそうだな。ライトも持ってないし、中に入るのは無理っぽいな。」
「そうですね。」
マッシュくんが今ニヤリと笑ったように見えたのは気のせいだろうか。
「蓋閉めて帰りますか。」
「あーそうだね」
ガンッ
痛みが走った。
何かが僕の背中を蹴ったんだ。
「マッシュ…くん…」
「あー何それあだ名?おもしろ」
マッシュくんは今までのゆるゆるの雰囲気とは違っていた。
「あー明くんさ、正義人か罪人かどっち」
「それは…」
「教えられないか」
ガンッ、ガンッ、ガンッ、ガンッ
痛い。
お腹から胸の辺りに蹴りを何発も入れられる。
「あー明くんってさ、やり返さない人間?それとも自分の正体をばらしたくない人?」
僕は立ち上がりマッシュくんと戦う姿勢を作った。
「あー明くんやる気じゃん」
バチンッ
「あー痛え、しかもビンタかよ」
ダダダダダッ
「ゲホゲホッ…あー腹痛え、どんなけパンチ強いの」
「殺しても大丈夫ですか?マッシュくん。」
何故かマッシュくんはまだ落ち着いている様子だった。
「あーごめん。相棒に相応しいか試したんだ。だから降参してくれ。」
僕はその言葉に何故だか頷いた。
信用なんてしていないのに。
「あー僕ん名前は
「僕も罪人です。」
「あー善人に見えるけど、やっぱりそうか…」
「僕はこの村から出ようとは思いません。ここから出るときっと嫌な目で見られるので。」
「僕んも同感。もうそろそろ暗くなるし帰ろっか。」
「そうですね。」
あたりはすっかり夕暮れ。
この村での一日目が終わろうとしている。
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