第5話 投票1回目

「僕のスマホがない。」


「あーそれさっき回収したじゃん。」


マッシュヘアの男がそう言ってきた。


「いつです?」


「あー女の人の話が終わったあとじゃん。」


「僕、そんなの知らない。そんなの知らないです。」


「あー女の人は、回収しますって言ってたけどな?」


「僕はそのとき寝てたかもしれないです。」


僕が寝るわけない。

もしかして意識が飛んでしまったとか?

わからん。


「あー寝てないよ。自分で渡してたし。」


「えっ!?」


「あー寝ぼけて渡したならありえるけど。」


「そうですね…教えてくれてありがとうございます。」


「あー全然いいよ。じゃあまた。」


そう言うとマッシュヘアの男は去っていった。


あのとき僕に何が起きたんだ?



「皆さま、お集まりいただきありがとうございます」


僕達は少女に呼び出されてまたあの場所へと集まった。


「これから1回目の投票をしてもらいます、誰が正義人で誰が罪人か投票をお願いします」


配られたのは顔写真付きの紙とペンだった。

紙の中にはメンバー全員の名前全てが書かれていた。


「は?なんすかこれ?いつ撮ったんだよ、しかも無断撮影しやがって」


金髪の男がそう言った。


「そんなことより俺は帰りてえ」


学ラン姿の男が欠伸をしながら呟く。


「この投票で何人当てたかが大事となります、書いて出した人から解散です」


「大事ってなんですか?」


僕の質問に答えてくれるかな?


「それは後のお楽しみです」


一応答えたけど、聞かなくてもいい情報だな。

あまり皆のことまだ分からないけど、何となくこの人やばそうってのはわかるから、あんまり考えなくて済む。


「投票完了です、ありがとうございます」


投票が終わった僕は外に向かって歩き出した。

この村を探索しようと。



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