第3話 共同生活

どうやら僕が1番最初に着いたらしく、共通点が無さそうなメンバーがこの場所に集められた。

しかも全員男だ。


「皆さんお揃いですね」


案内してくれた少女に顔立ちが似ている女性が話し始めた。

少女のお母さんだろうか?


「皆さんにはこれからここで生活してもらいます」


は?とか、俺は帰りてえとか、一斉に騒ぐ声が聞こえて来て僕は耳障りだった。


「ここに集められたのは正義人と罪人です、どの人が正義でどの人が罪なのか考えてください」


なるほど。

そういう分け方か。

でもなんで僕が選ばれたんだ?


「ここは自由です、私の言ったことを守りさえすればあとは何をしてもいい」


何をしてもいい…

ここは法律に触れない場所とか?

そんな訳ないか。


「殺しだってしてもいい」


殺しも出来るのか!?

誰かが罪を揉み消してくれるとか?

完全犯罪のプロがいるからとか?

何でなのか気になる。


「おい、殺してもいいんだなあ?」


声の方へ振り返ると、髪を1つ結びにした男が立っていた。

その人の目にはクマができていて、少し疲れているようにも見えた。


「はい、殺してもいいですよ、ただし私達はダメです、私達女性はここの主催者とか、管理者とかですので殺してはいけません」


「もし殺したらあ?」


「あなたは一生苦しみ続けるでしょう」


「どんな感じにだあ?」


「それは殺ってからのお楽しみということで」


「…」


男は呆れた顔をしてあぐらをかいた。


「守ってほしいこと1つ目は先程言った女性を殺しては行けないということ、2つ目はあの橋を渡らないこと、今の所はこれくらいです」


意外と少ないんだなと思いながら僕はここでの生活を楽しもうと思った。

この自由な場所で。


「それでは共同生活開始です」

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