第2話 赤印の妖精

 ミッドラビッドの森には花の咲きほこる丘があり、その広場では妖精たちが授業をしていた。近くには妖精の石像が置かれていて生徒たちを見守るようにたたずんている。


 妖精女学園と呼ばれる場所で、そこでは妖精たちが独り立ちするために妖精の勉強をしている。そんな彼女たちは背中に蝶のような羽を生やしている生き物で、その学園を卒業するために日々奮闘していた。


 羽は空を飛ぶときや気分で広げたりするが普段は邪魔にならないように閉じている。

 

 白いドレスローブを着て花柄のペンダントを首から下げたローゼリス(27歳)が授業を進行している。彼女は一流の妖精で以前は勇者一行を手助けしていた妖精だった。ツンとした性格で白いショートヘアをぴっちりと固めている。目はつり上がり笑顔を見せず、生徒たちには隙を見せないように、いつも背筋をのばして凛々しくしている。


 ローゼリスは杖を宙に向けた。するとそこに花の映像が流れた。白や赤や黄色の花が映し出されている。


「さあ、この花の名前は」

「はい!」

「スタープリル」


 ローゼリスが指すと彼女は立ち上がる。スタープリルはこの学園の中で一番優秀な生徒。ほかの生徒たちは彼女を目標にしているが、本当の相手は自分自身だと思い毎日自分を磨いている。ただ、その振る舞いや優雅さなどは彼女から学ぶことにしていた。


 みなが注目するなか、「ログメモルトです」とスタープリルは答える。彼女はいつでも余裕の振る舞いを見せてどんなことでも簡単にこなせるようにしていた。それは誰にも追いつかれないように、つねに上を目指して励んでいる姿勢を見せつけるために。


「よろしい」


 黄色の制服を着たスタープリルはブロンドヘアの編みおろしを手で払った。それからスカートを整えてうれしそうに地面に座った。


 生徒たちは全部で15人。みな13歳で制服の色は黄色、緑、赤という風にランク付けされている。入学初日は白の制服で学園に来て、いくつかのテストをおこない、その結果で制服の色が決められる。ローゼリスはその生徒に合った色を魔法で与えていく。


 黄色や緑は優等生、赤は劣等生。魔力や学力や体力。教養などが高ければ黄色を着れる。黄色でも魔力が低かったり、学力が低かったりする者もいる。個人差によりどうしてもその能力の差は異なってしまう。


 緑も黄色よりは劣るがどれかの能力がひとつでも黄色に匹敵するくらいあれば、緑を着ることができる。緑を着ている者はいつか黄色を着るために日々鍛錬にはげんでいる。成績での上下変動により制服の色は黄色と緑を行ったり来たりしていた。


 黄色や緑が多いなか、ひとりだけ赤の制服を着ている妖精がいた。


 赤毛のあご下まである巻き髪で、赤い羽のピサリーだ。いつも眠ったそうに半分目を開いて人を見る。くだらないとバカにしながら薄ピンク色の唇のはしを軽く上げ、優等生を見下していた。


 赤はすべての能力が最下位である印で、能力以外にも言葉づかい、態度、やる気なども考慮して赤が与えられる。ほかの生徒からは笑いの的にされるばかりだ。


 彼女は地面に寝転がり授業を聞いていない。初日からそんな態度を取っていたため、ローゼリスの魔法で姿勢を正されていた。しかし、すぐに寝転がってしまう。強制的に姿勢を正しても意味がないと思い、彼女が自主的に正そうとするまで注意するだけにした。


「では、この花の名前は……」


 みなが手を上げるなかピサリーだけは上げていない。それを見かねてローゼリスは言った。


「ピサリー、この花の名前がわかりますか?」

「せんせー、あたし、わかりません」


 寝転がりながらだらりと垂らした手を振って気だるそうな声で答える。


「ピサリー、きちんと座りなさい。どうしてあなたは授業を聞かないのですか?」

「だって、あたしの自由だし」

「そんなことを言っていては、一人前の妖精にはなれませんよ」

「あたし、べつに一人前になんかなりたくありませーん」

「……そうですか」


 いつもどおりの返答だったので、今日は彼女をだらけさせないように罰を与える予定をしていた。


 ローゼリスはピサリーがいつか立派な妖精になってもらえるように誰よりも厳しく接するようにしている。その気持ちをわかってもらえない彼女を眺めながら、ローゼリスは情けないと自分自身にため息をついた。


「ピサリーには居残り勉強をしてもらいます」

「えっ!?」


 それを聞いたとたん、ピサリーは勢いよく体を起こした。ほかの妖精たちはクスクスと笑っている。


「授業を聞かないピサリーには、罰としてメーティリアの泉へ行って、そこの水をきれいにしていただきます。場所ぐらいはわかりますね」


 ピサリーがしかめ面を見せるとローゼリスは黙ってそれを見つめた。


「いいですね。それをしなかったら、食事抜きになります」

「え?」

「授業を聞かないのがいけないのです。もしやらないと、あなたの羽が泣きますよ」


『あなたの羽が泣きますよ』というのは、妖精の気高さを羽にたとえていうこと。妖精の特徴ともいえるその羽を汚さぬようにという意味が込められている。


 ピサリーは疲れたように肩の力を落とした。


「それでは今日の授業はここまで、解散」


 その号令で妖精たちは杖を振りその場から消えていった。授業は午前中にいつも終わる。そのあとはそれぞれが自習をするようにしている。


 面倒くさそうに片肘をついて寝転がっているピサリーの姿を見て、ローゼリスは彼女に鋭い視線を向けた。


「ピサリー、泉をきれいにしたか、あとで見に行きますからね」


 そう言い残して、彼女は杖を振りその場から消えた。ピサリーだけが残され草原には枯れ葉が舞うくらいの風が吹いた。


 妖精たちは魔法が使える。最初は親から杖の出し方を教わる。杖の長さはそれぞれ30センチから120センチ前後あり棒状の形をしている。その長さや形や色などはひとりひとり違い、色は大抵、髪や羽の色と同じになる。


 手元に杖を出現させる魔法で最初に覚える魔法でもある。これができなければ刹那などの魔法は使えない。


 べつの場所へ一瞬で移動できる『刹那』やある特定の物を食べ物に変える『料理』の魔法など。基本的にそのふたつは幼少期から備わっている。


 刹那の魔法は、鍛錬によりその移動距離を遠くまで行けるようにしたり、ふたり以上つれて行けるようになったりする。料理の魔法は、最初はまずい食べ物だけど使っていれば段々とおいしくなるようになっている。


 食事は主に木の実などを魔法で加工して食べる。それは料理の魔法が使えればできるのだが、居残り勉強を言いつけられているいまのピサリーには使えない。大妖精であるローゼリスの命令を聞かないと魔法を返してもらえないのだ。食べるための魔法を取り上げられているため食事抜きとなっている。


 ピサリーは杖を出して地面に落ちている小さな木の実。ナツミルに振ってみた。33センチの小ぶりの杖からはなにも出ずにそのあいだを緩い風がとおり抜けるだけだった。普段ならナツミルのパンケーキなどに変わるのだが、いまはなににも変わらない。


「ちっ、封じられてるよ」


 ピサリーはため息をつきメーティリアの泉へ向かった。


 泉に来てみるとそこの水は濁っていた。浄化という魔法で濁った水を清めていく。

 

 妖精には自然現象の手助けをすることにも魔法を使う。それは特殊魔法というもので、妖精なら誰でも生まれたときから自然と身についているもの。


 その力は汚染や濁った水の浄化。風を起こし汚染された大気の拡散など。もちろん刹那や料理の魔法も備わっているが、ただその消費量が異なる。特殊魔法が1に対して刹那などは2の消費をする、魔法の消費量は体の疲れとして蓄積されていく。そのときの体調などによってもそれは異なったりする。


 実際には数字ではなく疲労度合いにより、その魔法が使えるか使えないかを自己判断で決めなければならない。


 ピサリーは杖を出して泉に向けた。筆で色を塗るように杖を振っていく。すると茶色の水はしだいに透明になっていった。ピサリーはあくびをしながら作業を進めていたが途中でやめてその場に寝転んだ。泉は半分ほど濁ったままでたゆたっている。


「やーめた」


 そうして目を閉じて眠ってしまった。しばらくするとちゃぷちゃぷと水の音がピサリーの耳に届いた。


「うるせーな」


 目を覚ましてそのほうをにらみつける。そこにいたのは泉で顔を洗っているミレイザだった。それを見たとたん、ピサリーは起き上がり杖を構えた。「なんで、ゾンビが?」そう言いながら少しずつ彼女に近寄っていく。


 勇者一行が大魔王を倒したから、モンスターはこの世界から消えて平和になったはずなのに、なんでいるんだ? と思いながら杖を強く握りしめる。



 以前、大魔王は自身の魔力により鳥獣や植物などをモンスター化させて人々を襲わせていた。人々はそういった者と戦わなければならなかった。たとえそれがペットであったとしても。


 倒せばモンスターは消滅する。だからペットなどに手をかけるかかけないか困惑してしまう。「もしかしたら大魔王を倒せばもとにもどるんじゃないのか」と。それによってモンスター化したペットに飼い主が食い殺されることもあった。


 人をモンスター化することもできたが、それはせずに人に恐怖を与えることにした。すくみ上がる人の姿をほかの人が見ることによって、その戦慄が伝染するようにした。心の奥底に根ずくくらいの畏怖の念を抱かせ、大魔王のおぞましさをあの世まで味わわせるために。


 大魔王の魔力により死んだ者がよみがえり徘徊する者をゾンビと呼ぶ。


 大魔王がいなくなり同時にモンスター化した者たちも全て消滅したことは世に知らされていた。



 草を踏む足音に気づいてミレイザは顔を上げる。


「だれ!?」


 その言葉に反応してピサリーは足を止めた。お互いの顔を見ながら目をそらさずにその相手の出方をうかがう。敵同士みたいに目を合わせながらその場に沈黙がおとずれる。そして、ピサリーが暇つぶしとでもいったように彼女の質問に答えた。


「妖精のピサリーだ」

「ようせい?」

「おまえ、話せるのか?」

「へ? ええ、話せるわ」

「変わったゾンビがいるもんだ」

「ゾンビ?」

「おまえのことだ」

「えっ? わ、わたし、わたしゾンビなの?」

「ほかに誰がいる」


 ミレイザは水面に映る自分の顔を見た。波紋に揺れながらその顔がしだいに明らかになる。青や赤の絵の具で塗ったような顔が多少の面影を残し浮き出る。唇をかみしめるとその顔は同じ動作をした。真似るなと願ってもそこに映る彼女は自分をもてあそぶかのように真似をする。

 

 ミレイザはそれから目をそらして立ち上がり言った。


「ピサリーお願い、妖精の力でわたしを治して」

「え?」

「わたし知らないあいだに死んでいたみたいで」

「はあ?」

「でも、わたしは生きているの、こうして。だからわたしを妖精の力で」

「ゾンビがなに言ってやがる。モンスターはあたしが倒してやるよ」


 ピサリーは杖を向けてじっと見据えたままじりじりと彼女に近づく。その威圧に怯えミレイザはあとずさりをする。にらみを見せながらさらに追い詰めていく。ピサリーの身長はミレイザの胸辺りまでしかなく、彼女を見上げる形となった。


「そ、そんな、お願いです。助けてください!」


 ミレイザは抵抗の意思がないようにあわてて手のひらを見せる。彼女の態度に奇異な感じを受けて、ピサリーは疑い深そうに眉間にしわ寄せながらたずねた。


「おまえ、さっき死んでいたみたいって言ったな、なんでわかるんだ」

「わたしのお墓があったの、わたしミレイザ・ロティ―リスっていうの、その名前がお墓に」

「ミレイザ・ロティ―リス? ふうん、墓ねぇ……」


 ピサリーはミレイザの姿を注意深く見た。


 会話ができること、怯えていること、ゾンビの割にはあまり腐ってないことなど。普通は正気を失ってその辺を徘徊し人を襲ってくるのだが、ミレイザにはそれが見られない。感情があるゾンビか? と目を細めてその痛々しい体を眺める。


「おまえ、どうやって死んだかわからないのか?」

「ええ、わからないわ。どうして死んでしまったのか」

「ふうん、まあいいや。それより、おまえの体を治してやってもいいぞ」

「ほ、本当」

「だが、条件がある」

「条件?」

「ああ、あたしは腹が減っているんだ。食い物を持って来てくれないか」

「食べ物を?」

「そうだ」

「でも、わたし……」


 そう言いながら自分の格好を見つめた。ミレイザは顔をしかめて悲しそうな表情を見せる。


「……こんな格好じゃ」

「格好じゃ?」

「ミッドラビッドの町に行けないわ。さっき家に帰ろうとしたら追い返されたの。お母さんもわたしをモンスターって」

「あっそ、やらないならいいや」


 ピサリーは背を見せてその場を去ろうとした。


「あ、待って。あっ!」


 彼女を呼び止めるためミレイザは走ろうとしたが足がもつれてその場に倒れてしまった。そのときの衝撃で自分が生きていた最後の瞬間を思い出した。


「はっ!」


 ピサリーは振り返って倒れているミレイザを見つめた。うつ伏せで足をがに股に広げた無様な格好になっている。


「どうした? やる気になったのか」


 ピサリーが気だるそうに聞くとミレイザは起き上がり言った。


「わたし思い出しわ、死んだ瞬間を」

「死んだ瞬間?」

「ええ、わたし、転んで死んだの。それが最後の瞬間だったわ。気づいたら土の中にいて」


 それを聞いてピサリーは片方の口角を上げた。


 それはミレイザがなぜゾンビなのに会話ができて、普通の人間みたいな状態でいるのかがわかったから。


 本当はその程度で死なないできごとでもあやまって死んでしまうときがある。体自身がその状況をのみ込めず、ごくまれに生きている状態で生死の体の分離が生じることがあると。魔物の魂を題材にした授業で軽く取り上げていたことを思い出した。


 ただそれは、後悔や深い悲しみ、喪失感や寂しさなどが強く残っている状態で死んだ場合による。


 そうやって生き返った者は、その思念を満たすため徘徊し人を襲うようになる。だが、目の前に立っている彼女は違った。襲ってこないし言葉を話せる。強い負の感情も感じない。


 ピサリーは自分の見解を明らかにするため、ミレイザの体になにが起こっているのかを、多少の尾ひれをつけて話し出した。


「ああ、なるほど。そういうことか」

「え?」

「おまえは、死んでいるが生きているんだ」


 言葉が出てこず、ミレイザはぼーっとピサリーの妖艶な笑みをただ見つめた。


「生と死の狭間のさらにまんなかの部分で死んだんだ。それは生のほうに引っ張られているが反対に死のほうにも引っ張られている状態にいる。心臓は止まっているが体は正常だ。それは言わば、ハーフゾンビ」


「ハーフゾンビ?」


「そうだ。ハーフゾンビは生きている者が一度死にふたたび自ら生き返ることだ。おまえが死んだと思い親族などはおまえを土に埋める。だが細胞の奥深くではまだ死なずに生きているものもある。それから土の中では生きているのか死んでいるのかと体自体が判断に困っているため、そのまま生かすも殺すもしない状態で放置される。そうやって体はしだいに熟成させられて、答えが出ずに体が生と死の半分ずつをもらうようになる」


「はんぶん?」


「ああ、土の中で取り引きがおこなわれるんだ。生と死のな。まず、死のほうに優先権がある……」


 生まれている時点で死に向かっているため死が先に体の一部をもらうことになる。反対に生まれるまえはその逆になる。


 死は体の心臓と皮膚組織と食欲などをもらう。大抵は確実に死を招くものを取る。生は心臓がなくても生きていけるように内臓に自律性を持たせる。だがそれを支配するのは脳であり生きているときと変わらない。皮膚組織を取られる代わりに強靭な力や迅速さなどをもらう。食欲を取られる代わりに渇きをもらう。水分だけで内臓は栄養を補えるようにさせる。とピサリーは説明した。


「……そうやって1年くらいかけて事細かな取り引きがおこなわれ、最後に生き返るかそのまま死ぬかの選択を魂で判断され、生のほうに判決が下り、おまえが完成し土の中から生まれてくる」


 ピサリーは目を細めてミレイザの体を上から下、下から上に向かって眺めた。


「その体、触覚はあるが痛みを感じないだろう。喉は渇くが腹は減ってないだろう。皮膚が壊死しているように見えるがさわればいつもの肌をしているだろう」


「痛み? お腹? 肌?」


 ミレイザは自分の顔にふれながら町の人たちに物を投げつけられたことを思い出した。


「そういえば、わたし石とかを投げられたけど痛みは感じなかったわ」

「やはりな……」


 ピサリーはミレイザに近寄ってにおいを嗅いだ。ミレイザは戸惑いながら彼女の奇妙の行動をただ眺めていた。


「服についている土のにおいはするが体のにおいはないな。無臭だ。体臭がない。体のにおいも消したんだ」

「におい?」


 ミレイザは自分の手の甲に鼻を近づけた。


「……そうかしら、よくわからないわ」

「それはそうだろう、無臭なゆえに自分の体臭はわかりにくいものだ」


 きびすを返し彼女が離れると、ハーブのほのかな香りが風とともに流れて消えていく。その間際にミレイザはかすかな香りを感じとるとどこか安らぎを覚えた。


 ピサリーは腕組みをすると『なぜ転んだのか?』という疑問がわき彼女にたずねた。


「おまえ最初、知らないあいだに自分が死んでいたと言っていたな。その死ぬ前になにか考えごとでもしていたんじゃないのか? 周りが見えなくなるくらいの考えごとをさ」


 そう言われて、過去を思い出そうと頭の中に映像を浮かび上がらせてさぐっていった。ふっと記憶の途切れる部分が出てきた。それは店の手伝いを終えて、親からお小遣いをもらい今度はなんの本を買おうかと頭がそれでいっぱいになっていた。そこから映像は黒くなって消えている。


「わたし、本を買おうとして死んだんだわ」


 ミレイザは瞬きもせず一点に集中しながらそう言った。それを聞いたピサリーはふうっとため息をついた。


「……残念だが、おまえの体は治せん」

「え、どうして?」

「どっちつかずのやつはいまのあたしじゃ専門外だ」


 その答えにミレイザは落ち込んだように下を向いた。


「……そうですか」


 ピサリーはこのままなにもしないでミレイザを放って置くのももったいないと思ったので、なにかに利用してやろうと考えた。


 ミレイザは振り返りその場から去ろうと足を踏み出す。


「待て」


 ピサリーが呼び止めるとミレイザは気力の抜けた顔で振り向いた。


「どこへ行く?」

「さあ、わかりません」

「じゃあ、あたしについてきなよ」

「え?」

「もしかしたら、ローゼリスのやつが治す方法を知っているかもしれないからなぁ」

「ローゼリス?」

「あたしたちの先生だよ」

「へぇ……」


 ミレイザは不思議そうに赤い目をぱちぱちさせて、口を半開きにさせながらピサリー見つめた。

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