第4話:不登校だった君と僕①
そして過去の自分へ。
あの時君がLINEを返信していなかったら僕は今のような人生を送ることは出来なかった。
様々な出会いに体験....僕はそれがあの時出来ていて良かった。とても楽しかった。
彼女が僕を気にしていなかったら、僕は今頃何をしていたんだろう...?
予想も出来ない。だから感謝してるよ。ありがとう過去の自分....そして───
───────
〜《月日は流れ一学期最後の学校》〜
毎日毎日学校に行くにつれ、多少は学校というものが楽しくなった。
友達は1人しか居ない.....そう、李乃さ....李乃だけ。
でも僕の中では満足。僕はまだ全然コミュ障且つド陰キャだけど、それでも李乃だけは僕の友達で居てくれる.....それが僕の励みになった。
〔えー今日で一学期が終わるが、お前ら浮かれて変な事しでかしたりすんなよ〜?
人生最後の夏休みにならねぇ為にも、節度を持って夏休みを楽しむようにー〕
そう言って帰りの会を締めくくる先生。
そして号令をして皆一目散にクラスを出て帰り出す。
みんなが明日から夏休みになることに浮かれてるのを尻目に、僕はやっと終わったと思い安心した気持ちでぼちぼち帰ろうとする。
「帰ろうかな......」
廊下をトボトボ歩いていると後ろから───
『か〜おるっ!なーに一人で帰ろうとしてんのさぁ!』
後ろから李乃さんが抱き着いてくる。
「っ...李っ...李乃さん!?なっ...なにしてっ...!」
『だーかーらー李乃でしょ?李ー乃ー!
てゆーかー郁の家、遊びに行ってもいい?いいよね?よし決まりー!』
「え、僕まだ何も言ってない......」
光の如く勝手に決められ、断る隙も無く自分の家へと向かった。
〜《自宅玄関》〜
「た...ただいま.....」
〔おかえり〜.......っ!!?!?〕
いつも学校から帰るとお母さんが出迎えてくれる。
そんなお母さんの顔はとっても驚いた顔をしていた。
今にも目が飛び出してしまいそうな程に目を開き、身体が氷河期の氷のように固まっていた。
『初めまして〜!郁の友達の、橋本 李乃です!
皆からは
圧倒的コミュ力。友達の親にも臆せず自己紹介をする.....陽キャ過ぎる......
〔........郁....あんた友達出来たの...?ホントに...?
あぁ...お母さん夢を見てるのかしら.....〕
『アハハハッ笑 郁のお母さんって面白いね笑 お母さ〜ん?夢じゃないですヨ〜笑』
そう言って僕のお母さんの方に手を振る李乃さん。
「お母さん恥ずかしいからやめてよ.......」
このまま玄関居ると恥ずかしいので、靴を雑に脱ぎ捨て、二階にある自室へとそそくさと向かう。
『あ〜ん郁待ってよ〜!お母さん?笑 .....こりゃ反応無いや笑』
〜《自室》〜
実を言うと僕の部屋、割と広い。
部屋のサイズをどう表すのか分かんないけど、分かりやすく言うと3.4人は共同で住めるくらいには広い。
どうしてそんなに広いのか.......それはリフォームで部屋と部屋を合体させたからこんなに広いんだ。
壁を取り除き、使わない部屋を元々の自分の部屋と併合させたって事。
そんな僕の部屋を見て李乃さんはものすごく驚いた。
『え"っ!?ひっっっっろ!!!え嘘でしょマジで!?えこれ泊まれんじゃん!!いや住めるやん!!!』
「あ...あははっ.....」
李乃さんは僕の部屋に入るや否やこの広さに大興奮。
子供のように大はしゃぎ。部屋の中をドタドタと走り回る。
床に転がったりシンプルに座ったり、見ていてちょっと楽しい。
『えーいいなぁ〜!笑 いやこれは居心地が良いねぇ〜笑 床が絨毯みたいなやつなのも評価点高いねぇ〜笑
ってかSwitchあるし、ゲームし放題じゃ〜ん笑』
そう言ってガサガサとカセットを漁り始める。
そして手に取ったのはスマブラ。
スマブラ知ってるんだとも思ったけど、何よりビックリしたのはゲームするんだ....ってとこだった。
「李乃さ...李乃って、ゲ...ゲームす...するんだ.....」
『えー?するよー!するする!女の子もゲームくらいしますよー!笑 着せ替えゲームしかしないと思ってたぁ〜?笑 偏見やめてくださーい笑』
そう言って僕の事を茶化す李乃さん。
『まぁそれはいいとして、スマブラしよっ?笑
私結構やってるから、すぐにはやられないからねー』
そう言って始まったスマブラ。
驚いた事に、李乃さんが言ったあの言葉は虚勢でもなく、僕の方が勝つ回数が多いものの結構食らいついてくる。
やられっぱなしの初心者なんかじゃない。動きも殆ど僕と同じくらい。ネット対戦の人達と同じくらいの腕前で正直びっくりした。
『あちゃー負けちゃったかー!笑 悔し〜笑』
「李乃さ....っ.....このゲーム....結構やり込んでるの...?」
悔しがる李乃さんに聞いてみた。
『んぇ?....あぁこのゲームはね、やったことはないよ?今日が初めて。友達かやってたりしたのを見た事はあるけどね?笑』
僕は衝撃を受けた。
学校へ行かず部屋でスマブラのオンライン対戦をして鍛えまくっていた僕に食らいついてくる.....それもコントローラーを持ったことも無い李乃さんが......
「どうしてあんなに良い動きが出来て......」
『人のプレイ真似て見りゃ結構良いもんだね笑
郁の動き真似させてもらったんだよ〜笑』
そう言ってニカッと笑う李乃さん。
「.......どうして今までやらなかったゲームを、ぼ...僕なんかとやろうと思ったの....?他の人と居る時はやってなかったのに.....」
『......どうして郁とやろうと思ったか?......さぁ〜なんででしょうね〜?笑 理由は簡単なので、自分でお考えくださ〜い笑』
そう言いながら試合を始める李乃さん。
「..........」
人とゲームするこの時間.....小学生の頃からでも無かったのに......李乃さんと関わってから全てが変わった。
隣にいなかった友達が今ここにいて....一緒にできてるなんて......夢のようだ......
「あっ......」
『あーよそ見しちゃダメだよー?笑 何考えてたんですかぁー?笑 』
そんな事を考えていて気付かずステージから落ちてしまった。
僕が疲れてると思った李乃さんは休憩を持ちかける。
『少し休憩しよっか笑 ゲームやめて、少しお話でもしよっか』
そう言ってスマブラを閉じてSwitchの電源を切った。
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