第六章 邪神の欠片を旬滅せよ!
第33話 魔法剣士サマンサ
王都センダーでの一連の出来事は
聖騎士同士の念話でハデルにも届いた。
一刻も早く、ハサンと合流しなくては。
現在、カントン国のシンセイ地方。
カントン国は広い平野が広がっている。
魔女アネッサを浄化したハデル達は
シンセイ地方の県境に来ていた。
ここを超えれば、カセイ地方だ。
街道から山道へ峠を超えて、林道へ。
様々なアヤカシにも出くわす。
この頃、ハデルらのレベルは平均17前後。
出てくるアヤカシも、
段々力もレベルも増してくるのであった。
蜂のようなアヤカシ=バーチや、
ナメクジのようなアヤカシ=ナメナメ、
蜘蛛のようなアヤカシ=クーモン
一番手こずったのは、一つ目の巨人、
怪力のアヤカシ=一つ目タイタンだ。
こいつの攻撃はとろいが、重い。
一撃で壁まで突き飛ばされ、
その壁には大きくヒビが入る。
い、痛ぇ!
思わずハデルも声が出る。
メリーは召喚術を使って応戦する。
ナムナメとクーモン、バーチである。
ナメナメは粘液で動きを遅くし、
クーモンの糸で敵を縛り上げる。
バーチの毒で敵の体力を奪う。
うまい!連携が効いている!
ハデルは破邪の剣を使い一気に決める。
『喰らえ!ハデルダイナミック!』
俺はね、一振りで渾身の波動を込め、
エンチャントした破邪の剣で
奴を袈裟斬りにした。
あー。俺達が間に合ってたら、
邪神なんて、あっという間に倒せただろうな。
そうそう、新しい仲間が加わったんだ。
亜人で、サマンサっていう娘だ。
まだ20代の若さなんだけど、
とてもしっかりしてる。
この子は魔法剣士なんだ。
家族をアヤカシに殺されたという。
ギルドでパーティに加えたが、
異彩を放っていた。
ギルドの冒険者なんて、大概
女だてらに剣士なんて
脳筋タイプが多いんだが、
サマンサはどこか品がある。
食事作法や、他人との対話作法、お手洗い後にレースのハンケチで手を拭くなんざ、
もしかしたら元々高貴な出なのかな?
かと思いきや、華奢な体で
大男をぶっ飛ばしていた(笑)。
恐らく攻撃倍加の術を発動し、
拳に集約させたのだろう。
スキンヘッドの大男は顔を歪ませて
壁を貫通して、
向かいの道具屋のドアに当たり失神した。
道具屋の主人にはお詫びして
壁代を渡しといたがね。
この子はいい!可愛いし、
亜人は獣人とも呼ばれており、
この子は猫科のようだ。
猫耳がキュート。
歳は20前後といったところ。
でも怒らせると怖そう。
あのスキンヘッドみたいに
ぶっ飛ばされるのがオチだ。
それにこの子と仲良く話してると、
なんかメリーが拗ねるんだよね。
妬いてるのかな?
我がパーティは、バランスがとても良い。
サマンサは攻撃倍加の術で
ハデルの攻撃力を上げて、
メリーは召喚術と回復魔法で後方支援。
ハデルは攻撃に専念することが、
できるので、アヤカシを次々に
浄化する事が出来た。
もしかしたら、今日浄化したアヤカシは
サマンサの家族かもしれない。
ハデルは改めてアヤカシの殲滅を誓うのだった。必ず人間の世界に帰る!
そう誓うハデルだった。
戦いはまだまだ続く!
いけハデルよ!
負けるな!聖騎士ハデル!
次回へ続く
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