足助優《あすけすぐる》

1

「…あれ?君は?」


「こんばんは、艶耀えんようです」


「あー君かー」


「おい、勝手にドア開けてんじゃねー!」


シャワー浴びて着替えてたらこうだ。勝手な親父である。


「あー!!わかった!お父さん?」


「そ。ま、上がれよ」


そういや、艶耀を見たことあったか?こいつ、ほぼ家にいないしな。学校行事すら来ないやつだし。


「なんか荷物いっぱいあるー」


「俺な、こいつと住むわけ」


「えー!いいなぁー」


「よくわないぞ?こいつ自炊してないからなぁ」


「勝手なことばっか言ってるし」


親父だって自炊しないくせに。


「俺もできないし、みんなできないんだね〜」


艶耀は適当に話を流して、勝手にテレビを見始めた。


「艶耀くんは、陸上をしてるのかい?」


「はぁ。そうですけど」


親父をほぼ無視してテレビを見る艶耀だ。


「そんなに面白いか?テレビ」


「え、寮ではテレビ見れないから見てます」


「ほーう?相当厳しいとこなんだなぁ」


艶耀は完全に無視。なぜ、ボクシングを見るんだ。


「おい、優。この子はそんな厳しい学校だからお前と住みたいんじゃないのか?」


「さぁね」


たぶん、おじさんもいるとこだし、いろいろとやりにくいのかも?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る