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「多喜ちゃんやっほー!」


「…寝てたんだが?」


最終的に考えついたのは、親友である多喜たきに確認すること。隆兄ちゃんの嫁の弟で、マメな男である。


「ねぇねぇ、敏兄ちゃんがさぁ急に現れた」


「は?どういうことだ?」


「なんか転職したらしいよ?」


「は?医者なのに?」


「おそらくこっちの病院で働く気だよ」


「…そうなのか。珍しいな」


「でね、キャリーケース持ってうちにやってきて、話が山積みだとか言うわけ。もしかして、別れたのかな?」


「…別れるのか?」


「知らないけどー?なんか、うちに住みたそうにしてたから追い返した」


「話聞いてやれよ…」


多喜ちゃんはお人好しなんだから。


「嫌だよ。勝手に住まれたら困るし」


「あっそ。なんで別れたと思ったんだ?」


「普通、あの嫁ならついてくるはず。金稼いでもらってるからね。でも一人で来た」


「…喧嘩でもしたのか?」


「してないよ。あの2人普段からあんまりかみあってないし。何かきっかけあって別れたんだろうけど?転職が先かな?」


「もう別れたの決定かよ」


「だって、俺今は元気なのに。なんでわざわざうちに?絶対そうだ」


「…そういや、実が別れたの知ってるか?」


「…実?…え?そうなの?」

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