足助隆《あすけりゅう》
1
息子の
「…なんで、そんなことに?実、仲良しだったんじゃないの?ねぇ?」
姉は何もわかってない。
「悪いけど、僕から見たら…実が一方的な、一方通行に見えてた」
「そうなのか…」
隆さんは落ち込む。
「もう別れるしかなさそう。あちらのご両親も納得してるし」
「実は…俺たちには相談してくれないのか?」
「…そうですね」
年頃の時からずっと子育てしてない、この人たちに実は嫌悪感を抱いている。ほとんど僕が育てたと言っても過言ではない。
「実は、今どこに住んでるのかしら?」
「今も同じところに住んでる」
「うちに来ていいのに」
「それはないだろ」
「ねぇ、多喜ちゃんからお願いしてみてくれない?」
「嫌だね。そんなに心配なら自分で家訪ねるか職場に行ってくれ」
「でも、そんなことしたら私のこと嫌いになるかもしれないじゃないの」
「はぁ、そんなの知らない。勝手にしてくれ」
なんなんだよ。
勝手なこと言って!
「多喜ちゃん、実のこと…これからも気にかけてやってくれ」
「もちろんです」
隆さんもそう。
僕に実を任せっきりだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。