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悲しみに暮れて、いとこの多喜たきお兄ちゃんのところへ。


「なんだ?実か」


「別れてほしいって…」


「そうか」


「なんで?そんなあっさり言うわけ?」


「いやぁ、しょうがないな」


「仲良しだったのに」


「一時的だろ?もうさっさと別れろ。届け出せよ?」


「…それってなんか書くの?」


「弁護士雇う金ないし、僕が仲介してもいいぞ?」


「もう…会いたくないって…」


玄関で泣きじゃくった。

でも、多喜お兄ちゃんなにも言わないし…。


「よし。ご両親の連絡先教えろ。僕がなんとか連絡取り次いで書類も一緒に作ってやるからな」


「…うん。ありがとう」


頼れるのは、やっぱり多喜お兄ちゃんだ。両親にも言えないよ…。


はぁー、俺ってそんなにダメなのかな。

仕事して、家族のために頑張っていたつもりだったのになぁ。どうしてなんだろう。

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