第17話 運用テストが終わり
シズクさんも席に着き、日本酒を頼むと、俺達は、これまでの経緯を話し、落ち着いたタイミングで、俺はシズクさんと話した。
「リンゴから聞いてると思いますが、カイトって本当に無茶ばかりで心配なんですよね」
「カイトさんですよね……もしかしたら本当にランカーまで上がるかもしれませんよ?」
「え? シズクさん何か知ってるんですか?」
「えぇ、実は私、アリーナ戦好きなんです。それで、観戦したり、情報集めたりしてるのですが、そこにカイトさんの名前が載ってました」
「え?」
「ポーターを卒業したニュービーカイト氏、ジムライト○ーマーで参戦し初勝利」
「……マジですか」
「マジです。まだまだランク外ですが、卒業してすぐに勝利するって凄いことなので、アリーナ好きの人は、注目し始めてますね」
俺も、隣で聴いてたリンゴも絶句した。
「そのうち機体も装備も充実してきたら、どうなるか楽しみな選手ですよ!」
おぉ、キラキラしてるシズクさん初めてみた。
「そうなんですね。今度俺も観戦してみようかな」
「ぜひ! その時はリンゴさんも一緒に3人で観戦しに行きましょう!」
「え、あ、私も?」
リンゴの手を両手で握るシズクさん。
キラキラの目を向けられたリンゴ。
「は、はい! 行きます!」
ぱぁっと笑顔になるシズクさん。
そんな顔もするんですね!
「そういえば、アリーナ戦ってどこで観れるんです?」
「それは、アリーナにある観戦ルームですね。観戦ルームでは、自分の好きなアングルで観戦できるんです! メインスクリーン1つとサブスクリーンをいくつか出せて、メインスクリーンの戦闘音もサラウンドで大迫力ですよ! ルームも数百室あり、予約制になっていて、しかもお酒や料理も注文出来ますので、色々な人が楽しめるようになっています!」
「充実した場所なんですね」
「えぇ! 今の任務が完了したら、3人の予定が合う日時、決めましょう!」
「「は、はい!」」
シズクさんの勢いが凄い。
余程、好きなんだろうなぁ。
シズクさんの新たな一面をみれたな。
俺は、シズクさんの任務について聞いてみると、ダンジョンAIより全ギルドへ近日中に全階層にて運用テストを行うことが通達されたとのこと。
確かカリキュラムで聞いた気がする。
それは、新たな機体のテストをダンジョンAIが行う時に通達されるらしい。
全階層に1機ずつテスト機体が放たれ、敵機と戦闘を行う。
この敵機はAIダンジョンの敵機だ。
もしその場に、マーセナリーがいる場合は、ダンジョンより離脱しろとAIによる退避勧告がされる。
ただ、マーセナリーの中には、無謀にもテスト機体に挑戦し敗北する者がいる。生きていればギルドに救援を求めるため、そういった者の回収任務がある。この任務のためにシズクさんには待機命令が出ているらしい。
また、テスト機体は、ある程度の戦闘データを取るとダンジョンが回収していき、後日、適正階層に配置されると。
いったいどんな機体がテストされるのだろうか。
楽しい時間を過ごし、いい感じに酔った俺達は、解散して、それぞれ帰宅した。
飲み会から数日後、運用テストが行われたらしい。
数人の無謀な者が現れたが、シズクさんを含む救援部隊により、なんとか帰還出来たようだ。
その無謀な人のおかげで、テスト機体のデータを見ることができた。
テスト機体は、ライガーを模した動物型の機体だった。
それは、初代ゾ○ド、ブルーカラーのブレードラ○ガーだった。
これが後日配置される階層、行きたくねぇ……。
シールドも切り裂いちゃうでしょコレ。
回避と近接・射撃か、遠距離からの攻撃で倒さないとだよな。
数日して、10階層に配置されたと確認された。
運用テストは終了したので、俺は、リンゴと高橋さんと5階層の探索をして、しばらく過ごした。
その間に、シズクさんから連絡があり、アリーナで観戦することになった。
丁度連絡がきた時に、おキヨさんの店で飲んでいたので、おキヨさんと高橋さんも誘ってみんなで観戦することにした。
アリーナ戦は、仮想空間にて行われる。
アリーナには、機体を正確にスキャンする設備があり、それを使用し仮想空間にて戦闘を行う。
いやー熱い試合ばかりだった!
中でも俺は、パトレ○バー対ガ○ダム、左肩を赤く塗装したスコープ○ッグ対赤くカラーリングされたザ○の試合が良かったな。
料理も酒も美味しく、みんな楽しく過ごせたようだ。
いつか、カイトの試合もみんなで観戦したいと俺は思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます