第9話 シュミレーショントレーニングと同行者

 シュミレーションの筐体は、それぞれ個室の中に1台あるようで、この階層の全ての個室をシュミレーションルームと呼んでいるようだ。


 俺は、受付で手続きをした個室に入った。


 個室の中には、流線形の筐体があり、それに乗り込むことで、様々なシュミレーショントレーニングを出来るようになっていた。


 筐体の中に入ると、作業用ロボットの搭乗席とは違うものだった。

 フルフェイスヘルメットは似たような感じだったが、シートには、筒状になったアームレストが付いており、その中にグリップが付いていた。


 俺は、シートに座り、ヘルメットを被る。

 システムが立ち上がり、アームレストに腕を通しグリップを握るよう表示された。

 俺がグリップを握ると、シュミレーションの種類選択画面が表示された。

 種類は、武装、操縦、戦闘の3つがあった。

 色々試していくと、武装では、各種近接武器、射撃武器、肩武器を選択し使用できた。

 操縦では、軽量、中量、重量のそれぞれ基本となる機体を操縦出来た。

 戦闘は、機体と武装を選択し、AI機体との戦闘が出来た。


 色々使ってみた感じで言えば、中量機体がしっくりきたな。

 武装も色々使ってみて、レーザーブレードもあったが、ジェネレーターの容量に気を使う必要があるため、ブーストしてからブレードを振るとエネルギーがスッカラカンになり被弾しまくった。

 最初のうちは、実弾と実体剣だな。

 アサルトライフルも使いたいが、弾薬の費用が高くなりそうだ。

 

 しばらくは、AI機体と戦闘シュミレーションをしてトレーニングしていこう。

 俺は、初期レンタル機体を中量機体と決めて、コンバットシールドと片手剣を使った戦闘シュミレーションを続けた。


 数日間、シュミレーションルームに通っていると、シズクさんから、明日いつもの時間にとの連絡を受けた。


 

 当日になり、俺は、いつもの時間に個室で待機する。

 しばらくすると、ドアが開かれ、シズクさんと、制服をキッチリ着た緊張してそうな20歳くらいで赤髪ショートの女性が入ってきた。


「おはようございます」


「ケイタさん、おはようございます。本日から期間終了まで同行してくださる藤林さんです」


「は、初めまして! わ、私は、藤林リンゴです! よ、よろしくお願いします!」


 勢い良く頭を下げる藤林さん。


「初めまして。俺は、田場湖ケイタです。よろしくお願いします。あの、緊張されてますか? 大丈夫です?」


「は、はい! 緊張してますぅ……シズクさんは、みんなの憧れですのでっ」


「そうなんですね。操縦も戦闘センスも凄いですもんね。俺も勉強させてもらってます」


「そうなんですよ! シズクさん自身も凛としていて綺麗で!」


「……落ち着いてくださいリンゴさん。打ち合わせしますよ」


「ッ! は、はい!」


「シズクさん凄い人なんですね」


「ケイタさんまで……やめてください。始めますよ」


 こういう時、シズクさんはどう対応していいか分からない感じだな。

 ほんの少し耳が赤くなっていたような気がするし。


「では、打ち合わせします。今週は3階層での任務を受けて、立ち回りと連携を確認します。来週からは4階層にて複数の敵機との戦闘になります。質問はありますか?」


「俺のほうは特にないです」


「私も、だ、大丈夫です!」


「分かりました。では各自機体に乗りリフト前に集合しましょう」


 俺達は、それぞれの機体に乗って準備を済ませ集合した。

 リンゴさんの機体は、頭部のみ流線型で、他は直線的でシンプルな軽量機体で、カラーは赤だ。全長は10メートル程だろうか。

 この機体のベースは、ジ○ライトアーマーだな。

 武装は、ハンドガンと片手剣のようだ。


 俺達は、3階層へと向かった。

 まずは、シズクさんとリンゴさんの立ち回りと連携を確認していく。

 シズクさんが敵の攻撃を引きつけて、リンゴさんがトドメを刺していく。

 今日は、武装と頭部パーツの回収だったので、俺はそれを回収していく。

 

 リンゴさんも操縦が上手いな。

 数発は被弾したようだが、回避することも出来ていた。

 

 キャリアが満載になるまで探索し、帰還し個室へ。


「リンゴさん立ち回りの確認は出来ましたか?」


「はい! なんとか大丈夫そうです!」


「分かりました。来週からは、ハンドガンも使用して行きますので、次の任務では、その辺りも確認していきましょう」


「はい!」


「ケイタさん、4階層からのパーツ回収は、破損しているパーツ以外となります。今までより短時間で満載になるはずですが、複数敵機の戦闘となりますので、今まで以上に気をつけてください。ケイタさんに敵機が向かう可能性も出てきますので」


「了解しました」


 こうして、この日は解散した。


 

 次の任務では、シズクさんリンゴさんはハンドガンを使用し、連携や立ち回りを確認していた。

 俺は、破損パーツ以外を回収する。

 時間をかけると、次の敵機が近づいてくる可能性が出てくるので、素早く回収する練習をしていった。


 来週は、4階層だ。



———————————

ザックリイメージ

リンゴ(ジムライトアーマー)


 

  

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