第10話 バレンタイン
友達がバレンタインデーに経験した話を教えてくれたのでここに書こうと思う。
友達が高校生の時、部活の後輩の女子からチョコをもらったそうだ。
その友達は、見た目はアデノイド顔というやつであり、眼鏡もかけていて俗に言うチー牛のような見た目であったので、友達は「俺なんかが絶対にチョコをもらえるわけがない」と思い込んでいたらしく、もらった時はとても喜んだようだ。
しかしその後輩は、友達とあまり関わりがなかった子であり、自分がなぜチョコを貰ったのか分からなかった。しかしチョコを貰ったので嬉しくて友達は、仲のいい高校時代の友達に自慢したそうだ。
ここから先は会話文も入れるが全て自分の想像だ。何を話したかは聞いたのでそれは再現した。
「おい!聞いてくれ!あり得ない話だが、俺チョコついに貰ったんだ!」
「え!お前が?マジでお前が貰ったの?え!誰に?」
「それがさー、部活の後輩なんだよ。しかも全然関わったことのないような。」
「マジで?実はお前のこと好きだったんじゃね?どんなチョコ貰ったの?見せてくれよ」
友達は、上機嫌でチョコの入っている箱を見せた。
「うわ!マジのやつやん!いいな〜。俺も貰いたかったわ。でもなんか変な匂いしない?これなんか変なの入ってない?大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫!家に帰ってゆっくりいただくよ」
友達は有頂天で帰宅し、チョコの箱を開けたと言う。
しかし、そこにはチョコなど入っていなかった。代わりに犬だか猫だかの糞が綺麗に並べてあったと言う。
そして、箱の中には手紙も置いてあり、赤い字で友達を罵るような言葉が書いてあったと言う。
先輩は、恐怖よりも怒りの感情が湧いてきたようで、次の部活の時に問いただすつもりであったが、次の部活の時、その後輩は一向に現れなかったそうだ。
気になって、別の後輩に話を聞いたところ
「1週間ほど前に、その子は転校しましたよ。家庭の事情だそうです。」
と返ってきた。そこで友達はあることに気付いて戦慄したそうだ。
最後にその後輩と会ってチョコの箱を貰ったのは3日前なのだ。その後輩などもう学校には…
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