インボイス?ナニソレ美味シイノ?結局、ラノベ作家はどうすればいいのか???

田中寿郎

超分かり易いインボイス制度の解説書いてみた

巷で話題になっている【インボイス制度】。


自分には関係ないと思っていました、なにせ趣味でちょこっとラノベ書いてるだけのサラリーマンですから。


インボイス制度はサラリーマンには関係ない、と聞いていましたので。


サラリーマンは税金の計算やら手続きやらはすべて会社がやってくれてて、引かれた後の金額を給与としてもらってるだけですからね。(唯一やってるのが年末調整書かされるくらい。)


インボイス制度については言葉自体は仕事でも聞くようにはなりましたが、聞き齧った情報から、「国が脱税してる連中を見つけ出すために考えた制度」らしいという程度の認識しか正直なかったのですが。


ところが。カドカワさんから、


「あなたのインボイス番号教えて」


というお手紙が来ました。


はい・・・?


自分にも関係があるの?


まぁ、読まれたPV数に応じて広告収入を貰ってますが。


あ、台湾角川に翻訳転載される契約を結んだからか?


送られて来た手紙も、聞き慣れない言葉が並んでいて理解不能・・・


『複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方法として適格請求書等保存方式の導入が予定され、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」等の保存が仕入税額控除の要件となります。』


なんかの魔法が発動してしまいそうな呪文めいた解説文・・・


えーっと・・・結局私はどうすればいいの?(^^A)


インボイス制度に登録して番号を取得して、カドカワさんに報告すれば良いのですかね???


という事で、慌ててインボイスのって何の事か調べる事になりまして。


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ニワカ勉強中……


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まぁなんて分かりにくいこと…


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なんとか理解した!(笑)


ので、超わかりやすい解説を、覚書代わりに書いておきますね。


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分かりやすく一言で言うと、インボイスというのは

『消費税を全額ちゃんと収めさせたい!』

という趣旨のようです。


なぜかというと、『消費税を納税していない人が居る』 んだとか。


と言っても、別に違法行為(脱税)というわけではなく、国が認めた制度なんですけどね。


消費税は、


『売上が一千万以下の人は消費税を払わなくてよい』


という軽減措置があるのだそうで。


一千万以上の人(消費税を納めてる人)を「課税事業者」

一千万以下の消費税を納めなくていい人を「免税事業者」


と言うそうです。


そしてこのインボイス制度は、「課税事業者」が「免税事業者」と取引した場合は、「課税事業者」が免税事業者の分も消費税を納税しなさい。という制度のようです。


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今、商品を買うと、必ず消費前を支払う必要があります。


でも本来は、免税事業者の人は消費税を収めなくてよいのだから、免税事業者の人から商品を買う場合は、消費税分を払わなくて良いはずです。※


でも、相手が誰であろうと、買い物したら必ず消費税払ってますよね?(どんな小さな個人商店で買い物をしても消費税必ず払ってますよね。)


あれ? 免税事業者の人がもらったその消費税はどうなるの?


はい、免税事業者の人は全額それを懐に入れて良い、という制度だったのです。


つまり、消費税が導入された事で、売上が一千万以下だった人は、自動的に消費税額分、収入が増えていたんですね。


知りませんでした。


(※実は消費税を納税しなくて良いわけではない。その理由は後述しますが、これがインボイス制度ですね。)


――――――――――――――――――


もう少し具体的な事例を。


例えば在る事業者さんが下請さんと110万円の契約を結んで仕事をしてもらったとします。


ところが、実は元請けから見た時、この仕事は100万円の仕事なわけですね? 


でも、代金の支払いの段階で、消費税分の10万円を上乗せして下請に支払っているわけです。(消費税は免税事業者相手でも必ず払わなければいけませんからね。)


※消費税率は10%とします。


110万円をもらった下請業者さんは、本来なら、国に10万円を納税するべきなのですが。


ところが、この下請けさんが “売上1千万以下” の「免税事業者」だった場合、消費税を納税しなくてよいので、消費税分として貰った10万円はそのまま懐に入れて終了となるわけです。


しかも、消費税分と表示があればまだ意識するでしょうが、なかったら、元請から消費税分多く貰っているという意識もなくなてしまう。これが現状なようです。


――――――――――――――――――


実は、お金を払う側から見ると、相手が「課税事業者」なのか「免税事業者」なのか、判別が付きません。なので一律に消費税分を支払うわけです。


相手が「自分は免税事業者です」と宣言してくれていれば、支払う側は「消費税を払わなくてよい」と判断できるのですが。


はい、この宣言(登録)がインボイス制度ですね。


インボイスに登録した人は、「自分は消費税を収めている課税事業者です」と認められます。


インボイス番号を出せない人(インボイス番号を出せない人)は自動的に消費税を収めていない人、という事になります。


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まぁ、1千万円をいつ超えるか分からないので、基本的にはインボイスに登録していない業者であっても消費税を払わなくてよい、とはならないわけですが。


(これまで消費税を取っていなかった業者が、今年は1千万超えたから遡って消費税を下さい、とは言えないでしょうからね。)


国としては、実はそこはどうでもよくて。問題となるのは、「消費税の二重取り」問題。


なんでも、『一つの商品に二重に消費税を掛けない』という方針があるのだとか。


例えば、


農家から八百屋がキャベツを一個、百円で買いました。


八百屋は農家には消費税含めて110円支払います。


そのキャベツを八百屋は200円で店頭で売ったとします。


客は当然、消費税を含めて220円払います。


農家も八百屋も「課税事業者」であるとすれば、ひとつのキャベツについて、農家は10円、八百屋は20円を納税する事になります。


でも、「一つの商品から二重取りしない方針」なので、八百屋は既に10円を農家に支払っているので、それを差し引いて10円だけ納税すればOK。


というのが、インボイス前の制度運用だったわけです。


ただ、もし農家が「免税事業者」だった場合、農家が払っているはずの10円を国は取り逸れるわけです。


八百屋も国も、農家が「課税事業者」なのか「免税事業者」なのか見分けがつかない。なので国は黙って八百屋の「農家に10円払った」という申告を信じるしかなかった。


八百屋としては、農家に消費税10円払ってるのだから、農家が納税しようがしまいが関係ないわけですが。今後は、農家にインボイス登録をさせ、それがない場合は八百屋が農家分の10円も支払わなければならない。


八百屋の対策としては、農家が納税していますという証明書を国に出す事で、この10円を払わなくてよくなるというわけです。


(証明書がない場合は八百屋が農家分も含めて納税する義務がある。)


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具体的には、「自分は課税事業者です」という事が分かる請求書を出させる。(この請求書をインボイスというらしい。)


農家は八百屋との取引において、この特殊な請求書インボイスを八百屋に渡す。


八百屋はこの特殊な請求書インボイスを国に提出した場合に限り、農家に消費税を10円払ったと認めてもらえる。


特殊な請求書インボイスを出せなかった場合は、八百屋は農家に消費税10円を払ったと国が認めてくれないので、八百屋は20円納めなさい、という事になるわけです。


当然、八百屋さんは30円負担しなければならなくなるわけで、そんなの納得行かないわけですね。


――――――――――――――――――


八百屋側の対応としては、


(1)農家にインボイス登録させ番号を提出させる。

(2)農家に消費税分の10円を払わない。

(3)諦めて国に20円納税する。

(4)インボイス番号を出せない業者とは取引しない。


100円ならいいですが、100万円だったら納税額が10万(プラス下請に上乗せした10万)の20万円分負担増となるわけですから。法律施行後は突然10万円多く納税しなさいと言われても納得はできないわけで。


元請業者としては、(3)を取る会社は少ないでしょうから、今後は下請業者に上記の(1)か(2)の対応を迫る事になるわけです。


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下請側からすると、インボイスに登録すると言う事は、免税事業者の身分を捨て課税事業者になる必要があるわけです。


そうなると、売上1千万円以下なのに消費税を納税する必要が出てきてしまいます。


もともと、貰っている金額に消費税が含まれているのに免税事業者はそれを着服(と言ってしまうと語弊があるかも知れませんが)していただけなのですが。


総額表示となって消費税を意識しなくなってしまったため、それを正当に貰える報酬だと誤認してしまっていた人が多い、という事なんですね。


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このインボイス制度の問題として


上記例(4)、元請事業者が「インボイス登録していない業者は使わないよ」といってくる可能性がある事が指摘されています。

でも、これはちょっとおかしいですよね。


インボイスに登録したくないなら、消費税分値下げを受け入れるべき、と言う事だと思います。


これまで100万円で仕事を請け負っていた人は、インボイス登録業者と競争するために、90万円で仕事を受ければ良いわけです。


なぜなら、その差額10万円は、本来は納税しなければいけないもので、便乗値上げみたいなものだったのですから。


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さて、ここで話はラノベ作家、漫画家やイラストレーター、ハンクラ作家など、フリーで仕事をしている人はどうするべきなのか?という話。


フリーの作家活動をしている方でも、年間一千万以上稼ぐ方は当然納税しているはずなので、税制についてはちゃんと理解されていると思いますが、小遣い稼ぎ程度の作家さんも多いと思います。


インボイス制度に登録するには、手続きも煩わしいですし、微額の消費税を申告したりするのも手間が増えるだけですよね。


であれば、黙って「消費税分貰いません」(その分値下げしてくれていいです。)と言うしかない、という感じになるのかな、と思いました。


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改めて確認してみたところ、カクヨムロイヤリティプログラムの支払いには、消費税分が上乗せされて支払われていました。(そりゃそうか)


消費税分多く貰ってしまっているのですね。

認識していませんでした・・・orz

(消費税分引かれて振り込まれているのかなぁ? くらいに思っていました・・・w)


課税事業者であればその分を申告して納税する義務が在るのだと思いますが、免税事業者である私にはその必要はなかった・・・


今後はそうはいかない、という事ですね。


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インボイス制度が開始されるのは今年の10月からですから、来年からはどうなるのか、カドカワさん側の対応(方針)次第ということになるのでしょうか?


すべての作家にインボイス登録せよというのは無理があるような気がしますので、インボイス番号を通知しなかった人については、カドカワからは消費税を含まない金額を支払い、カドカワ側で消費税を納税してくれる、という形になるのかも知れませんね。(というかそうしてほしい。)


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理解不足の部分があるかも知れませんが、あしからずご了承願います。


もっとちゃんと詳しく知りたい方は、専門の方が解説しているサイトがたくさんありますので、そちらで勉強されて下さい。

m(__)m


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インボイス?ナニソレ美味シイノ?結局、ラノベ作家はどうすればいいのか??? 田中寿郎 @tnktsr

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