恐ろしき愛

君の名前を叫ぼうとして 躊躇った

白い息だけが 空へ 消えてった

まつげも凍る 空気の『痛さ』に 目を閉じた


「今、君はどうしているの?」

「今、君は誰を愛しているの?」

そんなこと、聞く権利など無いのに、口走ってしまいそうな自分が怖かった…


愛に名前を付けるとしたら どうだろう

白い息さえも 色を 携えて

瞳に映る空気を この眼に捉えよう


「今、君はどうしているの?」

「今、君は誰を愛しているの?」

そんなこと、聞く権利などないけれど、口走ってしまおうと、私は、急いでた…


    愛しているの 本当はきっと

 “消えない傷”は  “癒えない傷”  とは限らない。

    『すき』で 良いじゃない。

   それだけで 私たちは 繋がれるじゃない  

 それって 君を 陥れる 恐ろしい 罠に 見えるの?



『魔法』が使えたら、私は 君の心を すべて 支配するでしょう。


『悦び』も『嘆き』も『愛』も『憂い』も 君のすべてを わたしのものに―――…


     愛しているの ただただにきっと

 “見えない愛”は  “要らない愛”  とは限らない。

     『罠』で 良いじゃない。

    それだけで 私たちを 繋ぐものじゃない

 それって 君は 慌ただしく 騒がしい 嘘に 思うの?


     愛しているの ひたすらにきっと

 “激しい雨”は  “止まない雨”  とは限らない。

     『嘘』で 良いじゃない。

    そうすれば 私たちは 一つ傘の下。

 それって 君の 肩を濡らす 愚かしい 闇に 変わるの?



君を 愛しているの  本当に  ただただに  ひたすらに―――…。



『罠』も『嘘』も『闇』も   君に『捧げる』 私の 『すべて』なの…。

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