第164話圭太と芳香の伊豆長岡④日本の絶景を二人で見る。
平野家との話がまとまり、圭太と芳香は、浴衣から着替えて伊豆長岡の観光に出た。
駅からロープウェイに乗り、葛城山(標高452m)の頂上へ。
頂上からは、まず、雄大な富士山、そして美しく穏やかな駿河湾も見えている。
芳香は、圭太にしっかりと寄り添う。
「すごい・・・絶景ですね」
「これ、日本人なら、誰でも見たい景色です」
「その上、海の幸、山の幸」
「どんな観光地、世界中の観光地にも負けませんよ」
「圭太さんに感謝です、もう、うれしくて」
圭太も、芳香の興奮をしっかりと受け止める。
「確かに、素晴らしい、胸がスッとする」
「日本の宝物のような景色だね」
「芳香と来られて良かった」
二人は手をつないで、ゆっくりと公園内を散歩。青い大空、霊峰富士、紺碧の駿河湾、360度の大パノラマを楽しむ。
途中、珈琲を飲んだり、アイスクリームを食べたりする。
もちろん、写真をあらゆる場所で撮る(芳香は、その都度、母に送っている)
伊豆長岡の観光は、そこだけで終わり、二人はホテルに戻った。
芳香は、結局、荷物全部を圭太の部屋に持って来た。
圭太も、今さら、気にしない。
途中の店で買った伊豆のお茶を、圭太が淹れた。
芳香は、一口飲んで目を丸くする。
「圭太さん、お茶淹れるのが・・・完璧です」
圭太は、少し笑う。
「学生時代に喫茶店でバイト、いろいろ覚えた」
芳香は、いつの間にか温泉饅頭を買っていたので、これも食べる。
「黒柳って、お饅頭屋さんのを明日買います」
圭太
「フロントに言えば、届けてくれるかな、でも歩いても数分、歩こう」
圭太は、続けた。
「干物は、干物屋で買う、フロントより、その方が新鮮」
「おそらく、甘エビの塩辛もあるはず」
芳香は、また、ペタンと圭太の隣に座る。
「親が、我がまま申して、ごめんなさい」
圭太は、芳香の髪を撫でた。
「婿だからいいさ」
芳香は、その「婿」の響きに、ドキンとなった。
「圭太さん、襲いたくなります」
「私、圭太さんを食べたいです」
圭太を、実質襲いながら、芳香は決めていた。
一日でも早く、籍を入れること。
そして、圭太との子供を産むこと。
そうすれば、圭太は、確実に自分の旦那で、私は本物の嫁。
子供は、最低二人、いや三人は欲しい。
「昔風?昭和風?」そんなこと、どうでもいい。
圭太と幸せに生きたい、ただ、それだけしか考えていない。
少し休んで、夕食も部屋に届けさせた。
刺身の船盛や、海鮮鍋、いろいろあった。
圭太は、食べながら、芳香に。
「月曜日に、一緒に、お互いの会社に報告しよう」
芳香は頷く。
「よろしくお願いいたします」
圭太
「式と披露宴は、相談しよう」
芳香は、下を向いた。(圭太の父の死の原因を作ったのが、自分なのだから)
圭太は、芳香を手招き。(軽く抱いた)
「そんなこと気にしたら、親父が困る」
芳香は、また圭太に、むしゃぶりついた。
「圭太さん・・・」(泣いて言葉にならない)
圭太は、しっかりと芳香を受け止めている。
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