第78話圭太は冷静を保つ
由紀は、圭太の唇と舌をしばらく楽しんだ後、解放した。
由紀の顏は、真っ赤。
「本気ですよ、圭太さん」
「だから、圭太さんを食べたかった」
「食べちゃいました」
圭太は。困っている。
「うん」(言葉が出て来ない)(頭の中が、グルグルと回転している)
由紀は、圭太の胸に顔をあてた。
「ずっと、こうしたかったんですよ」
「高校生の時から」
「何にも気づいてもらえなかった」
圭太は、由紀の背中を軽く撫でた。
由紀の背中が、ビクッと動く。
由紀の声が湿った。
「今まで、私のこと」
圭太
「うん」
由紀
「何も思っていなかった?」
圭太は、言葉を選んだ。
「由紀ちゃん、を思わないとか、ではない」
「誰に対しても、心を閉ざしていた、閉ざすべきと思った」
「恋とか、愛とか、結婚とか、そんな状態でなかった」
由紀の声が震えた。
「これからは?」
圭太は、また由紀の背中を撫でた。(由紀は、またビクッと震えた)
「食べられて・・・」
由紀は、甘えた声に変わる。
「だって、食べたかった」
「私の圭太さんにしたかったから」
圭太は、由紀の髪の毛を撫でた。
「逃げない、それは信じて欲しい」
「責任も取る」
由紀は、身体全体を圭太に押し付けた。
「うれしいです、圭太さん」
少しして
「あ・・・重い?」(由紀は身体全体の熱さを感じた)
圭太は、少し笑う。
「重くないよ」
「柔らかくて、気持ちがいい」
由紀は、圭太を責めたくなった。
身体を強く押し付けた。
「圭太さん、お肉がないです」
「もっと食べないと」
圭太は、とにかく落ち着かせようと思った。
「由紀」
由紀は顔を圭太に向けた。
「はい?」
圭太は、何も言わず、しばらく由紀の背中を撫で続けた。
由紀は、再び全身が真っ赤に染まっている。
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