𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲.4



あれから父上と話し込んでから俺は自室に戻ってお風呂に入り出て、布団の上に転がる。


「今日は、アルノルトになって怒涛の一日だったなぁ〜」



俺はそう呟いく天井を見上げる


この世界で聞いていく覚悟は、正直いってまだ曖昧で、目標などヒロイン達の悲劇を回避するという曖昧めいたことこの上ないものだ



それでも、もうあの頃には戻りたくは無いとゲームの記憶があるせいでそれに引っ張られるような形の気持ちもある


だからこれからのゲーム本編になるこの5年間で俺は目的を固めつつ、この体と今後の事を学ぶという目的を優先して、進んでいこうと思った



そして、救えるようならヒロイン以外も救っていきたいとは思う

登場人物全ては無理でも、できる限りの事はしたい


そう思って俺は



「この世界ゲームはゲームの世界だが現実と変わりなく死ねば終わりだから、出来るだけ、鍛えて本編とは違う

真っ当に学園に行き、皆と仲良くなってこの人生を楽しみつつ生きていこう」


といって俺は柔らかい布団に蹲りながら意識を沈める



深い眠りの中で、俺はある映像を見るそれは



『お前はもう用済みなんだよ!!だからお前はこの城から出ていけ!!兄の言うことが聞けないなら、奴隷にして売り飛ばしてやるぞ!!』


『なんで、そんなこと言われるのですかお兄様!!私はただお兄様を...』


『うるさい!!俺に指図するな!!目障りなんだよ!!騎士たちよこいつをあの塔へ連れていけ!!』



そう怒鳴るように、俺の唯一の肉親である妹を閉鎖された塔に送るよう命令する。


それを見て俺は、叫びながら言っているけど届かない、これが夢なのは分かっている。

それでもなのように言い放つようなことをしてしまったと今の自分アルノルトに後悔しながら叫ばずにはいられない


「どうしてだ!あんなにも俺を思ってくれていたのに突き放すようなことをいうんだ!!

こんな現実でもないのに、夢だと言うのに、心臓と涙が止まらない!こんな悲劇にして溜まるか!!俺はアルノルトであってあの頃のアルノルトじゃない!!

必ず、妹、レイラと仲直りしてこんな結末なんて起こさないようにしてやる!!」



俺はそう近いながらこの夢の結末にならないよう気持ちを落ち着かせ、


夢が終わり俺は



目覚める



「う、ううん...」


俺は目を覚ましセバスを呼ぶベルではなく、メイドを呼ぶ魔道具のスズを鳴らす



それから俺は朝食に着ていく服に着替えてから、セバスを呼ぶベルを鳴らす


数分してセバスがくる



「殿下、おはようございます」


「ああ、セバスおはよう、ふわぁ〜」


俺は欠伸をしながら話す



「そういえば、セバス私のことを殿下と呼ぶがもうそう呼ばなくていい」


「え?どうしてでしょ?」



セバスは困った表情で告げたから俺は慌てて弁明する


「違う違う!セバスには殿下ではなくアルノルトと呼んで欲しいだけだ、決して離れて欲しいなどは一切ないから安心してくれ!!」


「あ、そうだったのですね、すみません勘違いをしてしまって」



そう言ってくれたので俺は一安心する


「良いのだ、これからも共に居て欲しいと思っているから今後も支えてくれると助かる」



そう言うと、笑顔になって「ありがとうごさいます、アルノルト様」とそう返事をしてくれるのであった




▼▽▼▽▼




俺は、朝食を摂るスペースへ向かう、歩きながらセバスに今日の事を話す。


「セバス、食事を終えたら昨日と同じような服とか準備頼めるかな」


「ええ、大丈夫ですとも、実は昨日の段階で準備をするように取り次いでいます。」



セバスがそう言ったので、「そうか」と一言いって微笑む


話しながら進んでいたら、目的の場所までつく俺は緊張しながら少し立ち尽くす、それを見ていたセバスが



「大丈夫ですよアルノルト様、陛下も昨日は気にとめていたではありませんか」


「そうだな、こうクヨクヨしてても始まらないよな、よし!行くか!」



俺は頬を叩き気合いを入れて入る


「おはようございます、父上、母上それからレイラも」



そう言葉を言うと母上とレイラは、何が起きているのか分からないと言った表情で俺の事を見ていた。


父上は昨日ある程度話していたから少しニコニコしている、今までは挨拶などなく母上ともレイラとも顔を合わせるどころか会話を余りしなかったから、挨拶をされて驚いたのだろう。



それに、5歳になるまでは、はしゃぐようなわんぱくそうな感じではなかったと、記憶にあるけど、5歳になってからは人が変わったようになったからこれもゲームの強制力もしくは何科に取り憑かれていたのではないかと思えるほどに暴れていた。


そして10歳にはメイド達は数を制限されて身の回りを整えられる人で構成された少数精鋭(8人体制)の優秀に人たちで固められた



だからほとんどの使用人やメイドは妹と母上に宛てがわれている。


今となってはこれが妥当なのだろうと思えられるが、それでも家族揃って食事などはもうかれこれ1〜2ヶ月に1度と言った形だから俺の変化は最早凄まじいのだろう


そして俺は何事も無かったかのようにいつもの席に座る



「アルトよおはよう、昨日はゆっくり眠れたか?」


そう父上がいって母上は少し驚くが俺に声をかけてきてくれた


「お、おはようアルノルト、ごめんなさい久しぶりに挨拶されたから戸惑ってしまって...」



そう告げてくれたので俺は


「大丈夫です母上、気にしていませんよ、それからぐっすりと眠れましたよ父上」


そう言って微笑む、2人はまるでもうダメだと思えた俺が素直になったのが、嬉しいのか少し瞳を潤ませる


それを見ていたレイラは少し膨れた様子で俺を見ていた。

だけど、何も言わずにそっぽを向いて目を合わせてくれない、まあ、仕方ないと思えるから言葉をかけるのも少し躊躇ってしまう。


それからは食事が運び込まれる

だが、俺の朝食だけ明らかに量が多かった父上や母上にレイラも俺の半分程だったそれを見て俺は


「父上、すみませんが食事の量を減らしてもよろしいでしょうか?」


「うむ、構わぬぞアルトの好きにするがいい」


「ありがとうございます、これからは父上や母上と同じ量にしてもらえると私は助かるのですが、

これを作ってくれた料理人には申し訳ないのだが、私が指定するもの以外下げて貰えないだろうか?」


そう言うと周りにいた給仕をする人やメイド母上やレイラは、驚いた表情になる

(まあ、そういう反応になるよなぁ〜以前は食ってはイタズラしてお菓子も暴飲暴食だったから無理はないか)


そういって俺は指定したもの以外を下げてもらい、皆で食事をするのだが、母上は少し苦笑いではあるが、少しだけ会話もして妹はチラチラ俺を見ては視線を晒しているだけで、会話はなかった。



食事は終わり、俺は父上に「今日も行ってまいります」と言う


「ああ、頑張ってこい」



父上はそういってから俺は「はい!行ってまいります!」と告げて訓練場に向かうのであった

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