𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲.3


ガルゼスの訓練が始まる俺は



「ハァ..ハァ..ハァ...」



体力作りで、この訓練場のグランドを走っている



「アルノルト殿下!ペースが落ちてきてますぞ!!まだ残り5周残ってますぞ!!」


そう告げられて俺は必死に走る



「ハァ!分かっている!!こんなこと!!」


と言いながら俺は、気合を入れてペースを落とさずに俺は走る



周りやノトムはいつも通り訓練をしていて、この光景はゲームでは描かれないモノで、それを見ている俺は、優越感に浸っているような気分になる


そして走り終えて俺は地面に突っ伏す



「ハァ!ハァ!ハァ!きっつ!だけれど、走り切れた達成感は心地いいな...ハァ〜」


「よく走り切りましたな!偉いですぞ!!では次腕立て伏せを50回をしましょうぞ!!」



そう言われて俺は、うげぇと呟く


それから、腕立て伏せをした所で俺の今日の体力作りは終了する



「ありがとう、ガルゼスまた明日も頼む」


「ええ、勿論ですともまたお越しくだされ!

それから、もし宜しければなのですが、次から息子も一緒に訓練をさせてもよろしいか?」



ガルゼスにそう聞かれたので


「ああ、問題ないガルゼスの方から、伝えるのなら大丈夫だ」


そう告げて俺とセバスは、馬車に乗り帰るのだった



「アルノルト殿下、様ございましたねガルゼス殿があのような性格でいらっしゃって」


「そうだな、あれにはいつも驚かされてばかりだ、だが始めたばかりとはいえ、なんとも不甲斐ないな」



そう弱気な言葉を吐いてしまい、伏せると


「ですが、今日初めてからあそこまでこなせるのは、素晴らしいと思います、見ている私でも、殿下が頑張られているのは分かりますから」


そうセバスに言われて俺は、ホッとする

今日一日で濃い一日だったと思えるほど、充実した日々だったと思える


走行しているうちに、城につく



俺は、今日のことを父上に報告したいとセバスにいって父上がいる執務室に案内してもらう


その途中で、俺がよく知る我が妹レイラ・Σ・フィアレンスが近くを通りかかる

それを見ている俺に対して、気づいたのか、苦虫を噛み潰したような表情で睨んできて



「ふん!」


とそっぽを向いて目を合わせないまま通り過ぎる、俺は何も言えないまま立ち尽くしていた時に、セバスが戻ってくる


「アルノルト殿下どうされましたかな?」



俺は少しばかり苦笑いしながら


「気にするな、大丈夫だから」と告げて報告に向かうのだった





▼▽▼▽▼




レイラside



わたくしの名前はレイラ・Σ・フィアレンスこの帝国の第1皇女です。


私には6つ離れたお兄様がおります。



名前はアルノルトお兄様


この帝国の皇子で12歳で皇太子になられるお方、そんなお兄様は私の事など知らずにこの皇宮内のメイドや使用人の女性に如何わしい行為をしてみなを困らせている問題です。



そんなお兄様にお母様は


「どこで間違えてしまったのだろうか」


と呟くことが多くなって私もそんなお母様を困らせるお兄様がいつしか嫌いになるようになってしまいました



食事の時も落ち着きが無く、私の存在など気にもとめないそんなお兄様を私は人知れず避け続けていた時に

お兄様が庭で足を滑らせて倒れたと聞いて、私はそれに対して、ざまぁみろと思ってしまいました。


いつかこうなる日が来ると思っていたし、何よりも気に求めて貰えないのだから、これぐらい思っても大丈夫だろうと思いました



そして私は今日習い事の先生と挨拶をしてカリキュラムを一緒に考えて夕方にその授業の話し合いを終えて、自分の住まいに戻ろうと思った時に、アルノルトお兄様に出くわしてしまいました


私をじっと見つめるお兄様



それに気づいた私はそっぽを向いて「ふん!」と言いながらメイドと一緒にお兄様の顔を見ないまま立ち去りました。


今まで私に視線を送ってこなかったお兄様が今日は珍しく私に見せたことの無い、少し悲しげな表情をしていたと思える程でした



でも一日そこらで変われると思えなかったので私は気に求めずに、自室に戻るのであった




▼▽▼▽▼




アルノルトside



妹が、俺を避けて通路を通り過ぎ去る妹を思いながら、俺はセバスから許可が降りたので、父上のいる執務室に向かう



「陛下、アルノルト殿下のお父上も今日は会いたいそうなので、良かったですね」


「ああ、これからは父上にも呆れられないようにしないとな」


そういって父上がいる執務室前につく

俺は、扉をノックすると、「入りたまえ」と父上の声が聞こえたので、扉を開けてはいる



「お疲れ様です父上、このアルノルトが参りました」


「うむ、元気そうでなによりだ、それで怪我の方は大丈夫なのか?朝に頭を打ったそうじゃないか」


「はい、ご心配をおかけしました。この通り外傷はそこまで酷くは無いので大丈夫です」


そう告げると、父上は少し俺を観察(睨む)するように見て話す


「アルト、お前雰囲気が変わったな、どうしたのだ?」



そう言われてやはり父上には俺のことが分かるのだなと思えた俺はその理由を告げる


「はい父上、私はあの事故によって頭の中がスッキリしたのか、満ち足りたような気分になりました。以前の私は、このように穏やかになれず、皆にちょっかいをかけ、好き勝手に振舞ってきました。

ですが、今はあのような事をして少し、罪悪感と言いますか、皆にやっていたことを、思うと何とかしなければと思うように、少しばかり思える思考を取り戻せました。」


そう告げて言葉を続ける


「ですが、まだこれに見合うような振る舞いを私はできていませんなので、今日早速騎士団がいる訓練場に向かって身体と心を鍛えるように向かい、それが終わって父上にその事を報告するため参った次第です」



そう告げてみると、父上は驚くようなそれに感動したかのような少し複雑な気持ちで瞳に涙が浮かぶような表情になる


そう告げた後に父上は何を思ったのか立ち上がって俺を抱きしめる



「ち、父上!?どうされました!?」


そう告げると父上は


「アルトがやっと思い返してくれたことが私は嬉しいのだ、あれからどう接していいのか分からなかったお前が、皮肉だがあの事故で、まともになったのがこの我は嬉しいぞ!!」



そう言い強く抱き締めてくる父上に俺も答えるように抱きしめ合う


それから、俺は父上と今日起こったことや過去の事を話していき父上と和解することができた。


そしてこれからは、こう言ったことがないように、努力して家族ともっと接して行こうと思うのであった。


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