𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲.2


「セバス、それで話なのだが」



俺はセバスにそう告げて話を始める


「これからの事で、セバスにそうだんしたいのだが」



そう告げてセバスを見る


「アルノルト殿下、私はあなたの為に存在している様な者なので、気軽に相談してください」



セバスが満足そうに頷き俺は、今後のことを話す


「そうか、なら俺はまず体を鍛えたい」



「....ッ!」


衝撃が走ったような顔でセバスは俺を見て驚く


「今まで逃げていた、殿下が体を鍛えたいと...((ボソッ…」


何か小さな声で呟いているが聞き取れなかったので俺は次を言う



「この体では見てくれも、最悪だろうそれに、俺はもうあの過ちを犯さないと決めた。これからは心を入れ替えて、生きていきたいと思っている。だからセバスの協力を仰ぎたい」


そう俺が言うと感動したのかセバスが涙を流して俺に話しかける



「アルノルト殿下、私は今貴方様に感動しております。

ようやく決意ができたのですね!このセバス改めて貴方様のお役に立てるよう頑張っていきます」


「う、うむ、ありがとうな」



そういって俺は軽く動けるような服装に着替えてセバスと共に城の訓練場へと向かう



俺とセバスは、この帝国の騎士たちがいる、訓練場まで馬車で向かっている。


「セバス、今向かっているところはどこだ?」



「今向かっている所は殿下の騎士となる第1騎士団の訓練場ですな、あそこにはこの帝国の騎士団長とその息子もおられるので、いい訓練もできるでしょ」


「そうか、それは楽しみだな」



そう告げて俺は少し苦笑する


それは、騎士団長の息子であるノトム・グラトニアは、俺の固有スキル『王の威光』とスキル『虚言と真実』で追い込み、追放される



固有スキル『王の威光』は15歳の継承式で授けられる、これは渋々だが父上、皇帝が決断して授けたが、それを悪用する主人公もやばいなと思える


この『王の威光』は嘘でも周りには真実のように聞こえるという何ともインチキなスキルだ、それを使ってヒロインや他の者たちをいいように使うのが、原作の主人公アルノルトなのだ



そしてもうひとつのスキルである『虚言と真実』は少し催眠に近いスキルで、相手が嘘では無いことを言っても、私が嘘だと言えば、周りやその者が告げたことが曖昧になり、俺の方が優勢となるスキル


こんなものを与えられたら、主人公はおかしくなっても仕方ないと思えてくる

それを使って常識とばかりに、ヒロイン達を言葉巧みに誘導して寝取ったり種付け行為を許容するようになるのだ。



だけど、今のアルノルトは俺でそれはしたくないと強く思える

せっかく俺が転生して愛したヒロイン達がいる世界にきたのだ、それならばヒロインに見合うような容姿にならねばならないと思い至ったのである



そして向かうこと数分、第1騎士団がいる訓練場につく




▼▽▼▽▼




馬車から降りると、木剣のなる音が聞こえてくる、入口には、警備している2人がおりセバスと一緒に2人の所に向かう


「こちらにこられた様は、何でしょうか?」


騎士にそう言われて俺は形式に従い尚名乗ることにした


「まずは名乗らせてもらおう、私は帝国第一皇子アルノルト・Σ・フィアレンスだ、こちらで私も訓練を受けたいと思い、馳せ参じた」


そう告げると、騎士たちは驚いて頭を下げる



「申し訳ごさいません!殿下とはつゆ知らず、不敬な態度を」



そんなことを言われたので俺は



「よい、些細な事それで、騎士団長殿はおられるかな、入れば会いたいのだが」


そう告げると1人の騎士が



「今は中で騎士団長の息子殿と稽古しているはずですので、案内致します。」


「うむ、済まないな手間を取らせた」



そう告げると、2人が唖然とした顔になる、気持ちは分かるけどそんな顔しなくても、などと思いながら1人の騎士にセバスと俺は訓練場の中へと入っていく



歩いてしばらくすると、数十人の訓練している騎士たちが模擬戦や、素振り、稽古を付けられている者がおり、迫力満点だなぁ〜と心の中で呟く、それを見ていたら先程連れてきた騎士が騎士団長を連れてくる


「アルノルト殿下!お久しぶりです。今日は来られたのですね!!」


そう明るく、悪びれずに告げる、難いが良くいつも皆の模範であろうとする人物、騎士団長ガルゼス・グラトニアが俺に話しかける


いつも俺が罵倒しようが、気にしてないかのように、からかってくる唯一の人物、清々しいまでにこれでもかとからかったらそれ以上のことを言ったりするから、憎めない



いつもは不敬だぞという所だが、今日の俺は違う


「ああ、そうだな、ガルゼスよだが今日はではない、明日もその次の日も来る予定だ、その意味がわかるな。」



そう告げるとようやくと思ったのか、ガルゼスはいい笑顔で笑う


「ガハハハハッ!殿下もその体型をどうにかしないと思えるようになられたのですな!!良きかな良きかな!!」


「ガルゼス殿、それ以上言われますと、陛下に報告いたしますぞ。」


「それは行かんな!セバス殿それは勘弁してもらえないだろうか」



そんなやり取りをしている2人に対して、俺は頬を緩ませて笑顔になる、それを見たガルゼスが


「殿下、表情が変わられましたな一ヶ月前にあった時は笑顔より悪い笑みを浮かべていたので心配しましたぞ!!」


そんなことを曇りなく言えるガルゼスに俺は



「ああ、今の私は満ち足りたような気持ちだ、そして私は、いや俺はこんな自分を変えたいと思える程に今の自分自身が、情けなくて仕方なくて、ガルゼス殿の助力を求めてここへ来た。だから頼む!今までのことは謝るだから俺を立派な存在にしてくれないだろうか!!

帝国が誇る剣聖ガルゼス・グラトニア騎士団長!!」


そういって俺はガルゼスに頭を下げて今までの事とこれからの事の謝罪をする


それを見ていた周り騎士、それに奥にいるガルゼスの息子のノトムも表情を変えて見る


それにガルゼスは



「勿論ですとも!!アルノルト殿下がこのようになられて私は嬉しく思いますぞ!!

ですが、生半可な覚悟で来られないように気をしっかりとお持ちくだされ!!体力メニューから今後の事までこのガルゼスが承りましょうぞ!!」



そう告げておれは顔をあげてガルゼスに「感謝する、それとよろしく頼む!」と告げて俺はこの団体の中で鍛えていくのだと決意を固めるのだった





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