第2話 『町は成立しない』

『言葉のスピード』


この僕の口から出た瞬間に言葉は他人のもの

このキーボードから打たれた瞬間に言葉は他人のもの


世界を言葉が独り歩きを始めたら

僕は慌てる

言葉の広がるスピードに追い付かない


洞窟に描かれた牛の絵は、何年かけて、現代に広がったのだろう

少なく見繕ても、今のネットの世界のスピードにはかなわない


洞窟に描かれた牛の絵は4万年かけて拡散した

4万年かけて世界に広がった

ネットの世界と比較にならないほど、素敵なスピードだ



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『詩集』


詩集って、時々、本屋で買うけど、高くねぇ?

文字数は少ないし、行数まで少ない

おまけに、ページ数まで少ない

まるで、空白を買っているようだ

え?

それで、あってるの?

空白を買うってことで?


言葉が独り歩きを始めたら

僕は慌てる



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『菊人形』


菊人形の妖しさにつられて

何回も見に行く


毎年の行事

菊の細い花びらが人形を包み


人形はいつだって睨んでいる

そこが魅了か

誰かに似ていないし、誰かに似ている


毎年の恒例行事

菊人形の妖しさにつられて


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『町は成立しない』


町は人を育む

町は考慮なしで、人にいろんな物、事件をぶつけてくる

だから、絶対安全とは言えないけれど


全国、どこの町でも同じ

その町が持っている独特の体臭があり

そこに住む人たちにも匂いを与える

それが人柄だったり、方言だったりする


町なしで、人は語れないし、人なして、町は成立しない

この関係が大好きだ


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『勘違い』


えーーと


これは全自動の人生ということで、いいですか?

いえ、全て、手動です



#詩

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詩未満の詩「zaregoto」 @horai_japan

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