第6話
ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ
女達とのハードな行為で多少体力と肉体が鍛えられていたが、流石に登山はキツい!
最初は舗装された道を歩いて山頂まで行こうとしたが途中、変な車に追い掛けられて泣く泣く道無き道の獣すら入らなさそうな林から無我夢中で急斜面を駆け上がった。もう一度やれと言われても絶対無理!
あー、裸足だから足の裏がめっちゃ痛い。辛うじて古傷より新しい傷口は開いてないな。疲れたから何処かで腰を据えて休みたい。
それにしても、何だったんだろうな。あの変な車。知ってる女が載っていたような気がするがフロントガラスに光が反射していてよく見えなかったし、突然のことで混乱していたからそう思っただけかな?
はぁ、腹減った。よくよく考えたら山の食べれる木の実とかキノコとか草とか俺、なんにも知らないな。確か、川の水は寄生虫がいるから生水だめなんだろ?湧水は生水でも良いってなんとなく知ってるがなんで良いのか知らないな。
そもそも、今まで自然に関わるような生き方してなかったな。前世から。
今世は…よくわからないうちに襲われて拉致監禁されて11年後にほぼ裸で放逐される。ベリーハードすぎね?ルナティックとまでは行かなくてもかなりハードな半生だろ。
いや、元ご主人様達との爛れた関係は正直言って幸せだったよ。加虐趣味に路線変更する前まではという注釈入るけど。
多分だけど、元ご主人様は飽きたら解放というか一生俺の面倒を見るつもりだったと思う。人間扱いしなかったのに?それはあの人なりの愛情表現だと思う。かなり歪んでるけど。この世界では普通のことなんだと思う。
この世界での男の扱いは種製造機、家畜、愛玩動物だと淫行教師が言っていた。
財閥や血の繋がりを重視する純潔主義者の間では現代に置いても政略結婚みたいなことがあるらしい。だけど、男の扱いは"夫"ではなく種製造機として一族全員と行為をする宿命を生まれ持って課されている。別の一族と結ばれると行為する人数が増えて早死にするらしい。長生きしても40代前後らしい。
普通に生活している男の扱いは世間では家畜とされている。したい時に収穫しても誰も咎めない。流石に殺害したり行為を出来なくするような事をしたら刑務所行きするらしいがほとんどそんなことはないらしい。
愛玩動物は俺みたいな奴のことを言う。人間からそれ以外のものに落とされたもの。年齢層は未成年がほとんど。男の失踪って3年くらい経っても見つからないと死亡扱いになるらしい。早すぎだろ。とは思うが代わりの男がいるから1人居なくなっても困らないんだろうな。飼い主さんの大体は、飽きたら秘密裏に処分するのが普通らしい。処分されても世間では死んだものに何をしても良いってことなんだとか。
淫行教師からは長生き出来るように元ご主人様に尽くしなさいとアドバイスされていたが、元ご主人様は普通の飼い主ではなかったから俺は今生きていられるんだろうな。
一生飼うつもりだった理由言ってないって?そりゃあ、元ご主人様の"目"が他の女とは違ってなんと言ったらいいのかな?なにかにのめり込んでいる人の目になっていた。
多分、俺の勝手の予想だけど俺に夢中になっていた。だけど女医に傷つけられて帰ってきた俺を初めて殴って何かスイッチが入っちゃったんだろうな。それで加虐趣味でどんどん傷だらけになっていく俺を見たくなかった。でも、歯止めがきかない。このまま殺すことになるなら…っポイって感じだと思いたい。
俺はそう思いたい。だってあの人、初対面で俺のことを救ったんだ。その後がアウトだったけど。1度救ったことは間違いではない。
なんか、思考がダメな男が好きな女みたいになったな。はぁ、もう忘れちまおう。もうあの人に会うことはないんだから。
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