1話「だから私と恋人になろ!!」
「……ゴホ、ゴホッゲホ!」
喉が痛い……。手元にある風邪薬や胃薬薬ももう切れている。
母さんは仕事で居ないから薬の注文が出来ない。
「だるい…」
起きてるだけで吐き気がする。
寝よお……もう眠ろう。
無理やり眠りに着いた。
「……」
「……」
カチカチと時計の針の音が鳴り響いている。
「……」
もう音を何回。針の音を聞いているんだろう……。
「……」
ガチャッ!
ガチャ?
下の方で玄関のドアが開いた。
母さんが帰ってきたのかな?
「……っ!」
身体を起こそうし喉が痛い。吐いたから喉が焼けるみたい……。
「ゴホッ! ゴホッ!」
「大丈夫?」
ドアを開ける音が聞こえた。けど足音とか違った……。
「……――っ⁉」
目を開けると驚くことにそこに居たのはカースト上位の咲がいた。
「……なん――ゴホッ! ゴホッ‼ ……ハァ……ハァ」
咳と喉が同時にやってきて、ナイフで切られたかのような激痛が走ってきた。
「えっちょっ大丈夫⁉」
咲が心配そうに持っていた。
「ほら、スポーツドリンクでも良いから飲んで!」
手持ちに持っていた袋からスポーツドリンクのキャップを開けてれの口元に流し込んでいった。
「んっ! ……んっ!」
もう、中身がこぼれてしまい。布団が濡れてしまっていた。
けどおかげで喉が楽になった……。
「……ありがと」
「いいよ」
咲が俺のベットが寝ているところに俺の勉強用の椅子を持ってきて座り込んでいた。
「蓮のお母さんからメールで風邪薬とか頼まれたの」
ようやく時計見ることが出来き18時と表記していた。
もう、午後の6時……そんなに寝ていたんだな。
「おかゆとか居る?」
「……いい」
まだ胃がキリキリしている。多分なんか食べたら吐くかもしれない。
「そう……」
咲が袋を俺が届くところの位置に置いた。
「どうしたの?」
そして咲こっちに近寄ってきた。
「……なんでもない」
「なんでもって……顔が暗いよなにかあったんじゃ」
「――っ!」
その瞬間血の気が全身に引いてきた。
元、彼女だった言葉の「こんな人と居ても本気で笑えるなんてことは有り得ない……」が耳元に囁いてきた。
「私に話をしてみて!」
「いいのか? こんな陰キャって呼ばれるヤツだよ」
「陰キャ?」
咲が首を傾げてきた。
「……咲はサッカー部に告白をされている陽キャだろ……こんな陰キャに構っているとクラスの中が、悪くなる」
「――っ! ……そんなの関係ない」
咲が首を左右に振っていた。
「陰キャか陽キャかなんて関係ない! 同じ人間なんだから……少し話せないのが陰キャだって関係ない。だから辛いんだったら話をしてみて!」
「……本当にいいんだな? 滅茶苦茶俺が今、人生で嫌な感情だぞ」
「いいよ」
咲が頷いた。
「……わかった」
数週間前に彼女を作ったこと、そしてよくわからないことで失恋をしたことを咲に話をした。
「――っなにそれ。その女もう性根が腐っているよ」
咲が拳をグッ握りしめていていた。
「初めての彼女だったのに……」
「――っ」
さっきまで握りしめていた拳を俺の手に握った。
「――っ!」
えっなんで握りしめ――
「そんな女なんかより私と恋人になろ! 私が蓮をプロデュースして校内で誰よりもイケメンに仕立ててあげる! その女や誰よりも黙らせてあげるぐらい幸せになって見返そ!」
「……え?」
「私が蓮の恋人としてそばにずっといる! 蓮を幸せにさせてあげたい!」
「えっちょっと待て!」
告白された⁉ あの美少女だって言われる彼女から。
「ちょっと待て! ……えっ?」
咲の方を向くと小さく頷き視線を横側の方に向いていた。けど視線はこっちの方に向いていた。
「幼稚園児の頃からずっと好きだった。でも小学生の頃、野犬から助けてくれた私の英雄だから中学も一緒にいた、かった」
確かに小学生の時には咲が危ないと思って助けた記憶はある。
「え!? なんで中学の頃は声なんて一言も」
「それは、話をしたかったけど好きだから声をかけられなかった……。疎遠になっちゃったけど好きだった」
そして掴んでいる俺の手をグッと握りしめていた。
「だから私と恋人になろう!」
「――っ!」
本当に純粋でまっすぐな瞳。本当に俺のことが好きだっていう気持ちが彼女の言葉から伝わってきた。
「本当に、俺で良いのか?」
そして咲は深く頷いた。
「あなたしか考えられない……私の英雄で好きな人だから」
「――っ」
好きな人……。もう先のその言葉が出てくるたびに嬉しかった……。前の彼女にはなかった不思議と温かい感情。そしてさっきまで辛かったはずなのに物凄く嬉しくなっていったこの感情だけが残っていた。
「……咲」
「はい」
そして握ってくれる手はさらに握りしめてくれてた。
「……俺と恋人になってくれ」
そして気づけば大粒の涙を数滴からどんどん溢れていって流れていた。
「……はい」
そして、咲も頷いた。
「はい。……はい! うんっ!」
そして彼女が泣き崩れた。
「――っ。うん!」
口元は手で覆い、ただひたすらに泣いてくれた。
「――っ」
俺は絶対に思ったこの子だけは絶対に何がなんでも守ってあげたい、と……。
恋人になってに幸せになろ! 二髪ハル @2kamiharu
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