恋人になってに幸せになろ!

二髪ハル

プロローグ

 6月中旬。明日が土曜だという金曜日。放課後だけど雨宿りのためかほとんどクラスメイト達が教室に居座りで座り込んで話をしていた。

「それでさぁ彼女がさ」

「マジかよ! ウケる!」

 あんな風に大声で話すのなんて俺には無理。

 周りからみたら地味で目立たないゲームが好きなよく言うカーストが最下位で陰キャと呼ばれる物。

 それが俺、安藤あんどう れん

「なにさく。また告白されたの?」

「えっなにそうなの? 誰誰?」

「なんで知ってるの!?」

「それはね。階段から見てたの……サッカー部のキャプテンから」

「うそ!」

 そう言った瞬間周囲の反応が告白された彼女の方へと目を向けあっちこっちで噂になっていた。

「……」

 噂になっているのは小学生までずっと一緒だった。

 そして中学にあがりお互い喋らなくなった。夏目なつめ さき。色んな人から告白をされているが断っているらしい。

 咲ってモテてんだな……。

 今更、彼女に話をしたって会話のキャッチボールが上手くいくはずがない。

「断ったよ! なんか向こう彼女いそうだし」

「あー確かに」

「でも、あのイケメンだよ」

「ん~。…………あはは。やっぱり私じゃあ不釣り合いだよ。他の人の方がいいよきっと」

「えーそんなことないよ。絶対に似合う!」

「それって好きな人がいるとかでしょ」

「えっ、やだなバレちゃった⁉ ドラマに出ていたあの人とか、アイドルグループの彼なんて好きになっちゃったのバレちゃうなんて」

「なんだー。好きって芸能人~? これは咲に恋なんて先が思いやられるわ」

「……あはは。そうだねよく恋愛なんてわからないや」

 あやふやな感じになり教室はいつもの雰囲気に戻っていった。

「ゲームをしよ……」 

 俺は教室を出た。

 買って読んでいない小説とかゲームがあるしな。それらを消費したい。

 別、教室に女の子が立っていた。

「――っ! あの……お話良いですか」

「……」

「あのっ!」

 思いっきり腕を引っ張れた。

「おぉっ……おれ?」

「ウンウン!」

 その子は小さく頷いた。

「お時間いいですか?」

「時間?」

 時間とは一体……。

「……これから告白をしたいので」

 告白⁉

 まさか俺に告白をしてくる人がいたなんて……。

 俺はその人について行き。階段の踊り場まで移動をした。

「あなたのことが気になっていました……。この、感情が好きかどうかはわからないけれど、よかったら付き合ってくれませんか?」

「――っ!」

 嬉しすぎる……。

「けど名前もわからないし……」

高野たかのです……。高野たかの 聖羅せいら

「俺は……」

 彼女は首を縦に振った。

「あなたのことは知っていますよ。安藤くん」

「――ッ!」

 まさか知られていたなんて嬉しすぎる。

「ですから私と付き合ってください」

「はい……」

 俺に人生で初めての彼女が出来た。 


 ◇

 

「彼女か……」

 人生で初めての彼女。そんなのが出来て嬉しかった。

 すると彼女からメッセージが届いた。

『何してるんんですか?』

「……っ!」

 高野さんからだ!

 めちゃくちゃ嬉しい。

「あっ! なんて返そう……どう返事をすれば喜んでくれるんだろう?

 そこから数分。メッセージの文書を直してはおかしくないかずっと考えていた。

「これでいいかな」

『今はゲームをしてるよ』

 すると高野さんからメッセージがすぐに送られてきた。

『そうなんですか。私もスマホでゲームをするくらいです』

「そっか……高野さんってスマホゲームするんだな」

 面白いゲームとかあるからそれを教えてあげたい会うのがめちゃくちゃ楽しみだ……。


 ◇


 月曜日。俺は愛している彼女に呼び出された。

「えっなに高野さん?」

「……チッ!」

 えっ……。

 今、舌打ちされた?

 顔の表情をみるとなぜだか知らないがイライラとしていた。

 なんで彼女はあんなに怒っているんだ?

 理由がよくわからない。

「……すいません。あなたのこと好きではないので別れて下さい!」

「――え?」

 唐突に言われた。

 別れ?

 なんで急に……。

 言っている意味がわからない。なんで……?

 視界が真っ白になっていく。

「ですからさよなら……」

「ちょっと! 待て――」

「くぅっ!」


 パンッッ!!


「……っ」

 思いっきりビンタを食らった。

「あなたなんかといても幸せになることなんてありません! こんな冴えない地味で暗くて、ゲームが好きなオタクなんて、……。私が不幸になる」

 痛みと同時に視界が変な感じで血の気がサッと引いてい感覚がわかった。

「私の彼氏なんてふさわしいわけがありません。こんな人と居ても本気で笑えるなんてことは有り得ない……。早く私の前から消えて下さい!」

 そのままその子は去ってしまった。

「あぁ…………」

 ザッと降る雨り俺は訳の分からいまま数時間立ち尽くし。俺は熱を出した学校を休んだ。

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